ど~もeagle0wlです(再)

140文字では収まらないネタを記録するブログ

ボツネタ供養:ぱちんこ、パチスロの不正行為・事件

Pachinko machines
※写真はイメージです Photo by AKX_

※2018/12/01 コメントをいただいたので「コピー打法」追加
※2018/01/22 大東音響「キングガルフ」追加

訳あって表題の件についていろいろ調べることになったのだが、お蔵入りにしたネタを披露する。なお、筆者は一度もぱちんこ、パチスロ店で打ったことがない。ぱちんこ、パチスロファンでもないので、その中身については生暖かく見守って下さい。

1990年 パチスロ「コンチネンタル」瑞穂製作所(現:ミズホ)

裏モノ製作に社員が関与していたことが発覚し、当局に摘発される。製造元は3年間の型式持ち込み停止処分(=3年間新機種を出せない)を受けた。

1995年 ぱちんこ「CRギンギラパラダイス」(初代)三洋

物語シリーズの原点。一時期中古価格が1台200万円を超えるほどの大ヒット機種だったが、電波を浴びせると大当たりが出る「直撃ゴト」が1996-1997年頃から発生。周波数は800MHz~1000MHzとされる。センサー交換後も攻略された。

1996年 ぱちんこ「CRモンスターハウス」竹屋

梁山泊が人力体感機で攻略した台。人気機種ゆえ様々なゴトが存在する。144MHz(いわゆる2m)の周波数で直撃ゴトが発生した。モロにアマチュア無線の周波数と同じで、偶発的に発見されたものと推察される。と同時に、無線機があれば容易に実行できたであろうことも容易に想像できる。これとは別に、自力で大当たりを発生させた後の確変継続、終了判定の周期が0.5秒単位という非常に遅いものだった。梁山泊は人力TASで止め打ちを行って確変を永続させていた。

1996年 パチスロ「キングガルフ」大東音響(現:藤興)

ホールに出た本機(に限った話ではないが)の大半は裏モノに改造されていたと言われているが、メーカー自ら裏モノの製造に関与していた。1998年の「リズムボーイズ」も同様だが、大東音響の複数の機種が検定取り消しとなり、製造元は3年間の型式持ち込み停止処分となった。

1999年 ぱちんこ「CR海物語6」三洋

まず、磁石ゴト、糸吊り玉、変形球(Dカットされた水平方向に転がらない玉)などを使って、役物の通過センサー内で玉を止める。センサーはアクティブ・ローなので、通常時はHigh、玉が通過する瞬間はLowとなるが、玉を止めるとLowが続く。この状態で玉に向かって電波を浴びせると、玉がアンテナ代わりになると同時に、玉と隣接している通過センサーが不安定になり、High、Low判定が繰り返されることで過剰に賞球を得ることができる。この台に限らず、通過センサーを搭載している全ての機器が攻撃対象となる。

2001年頃 パチスロ 『獣王』などサミー系列の複数の台

Wikipediaによると、レバーを手前に引きながらゆっくり上に上げると、回路設計の不備により乱数による再抽選が行われず、前回のゲームプレイで使われた乱数がそのまま再利用されるようである(機種によって細かな差異はある)。遊戯者にとって有利な抽選結果が出た場合、コピー打法によって有利な抽選結果を繰り返すことがで機械割(実際のペイアウト率)を超える出玉を獲得できたようである。
コピー打法 - Wikipedia

2002年 パチスロ「ミリオンゴッド」ミズホ

通常時は20万円以上も負けるが、大当たりが出ると100万円以上のメダルが払い出されることがある、娯楽ではなく賭博そのもののスロットが登場し、複数の自殺者を出した。店内のトイレで首を吊る事例もあったようである(店員がそれを発見した場合トイレを封鎖して営業を続けていたようである。警察沙汰になるとその日の営業は停止になるから)。それらの型式は検定取り消し、一斉撤去となった。

2003年 パチスロ「ゴールドX」ミズホ

プログラムミスにより攻略法が発覚し、強制撤去。台の買取りでは済まされず、ホール側は「得べかりし利益」を請求するため親会社のアルゼを訴える。アルゼは敗訴し損害賠償を行った。

2003年 パチスロ「吉宗」大都技研

大ヒット機種である一方、2桁のゴト手法が存在しており、ホールにたくさん置かれていることもあって散々狙われた。ゴト手法としては、裏ロム以外はなんでもあったらしい。「ナビ太」という体感器が存在する。大当たり後のジャックゲームのボタンの押し順を教えてくれるもの。大当たり後のゲーム中で、スタートレバーを強く弾くことで得られる振動を体感機にトリガとして伝えていたらしい。

2007年 ぱちんこ「CRスーパー海物語IN沖縄MTA」三洋 & 2008年 ぱちんこ「CRA大海物語スペシャルWithアグネス・ラム」三洋(CR大海物語スペシャルの甘デジ版)

体に発射機を巻き付け、アンテナを携帯用のロングストラップに吊って首にかけてゴト行為が行われていた。どう考えても体に悪い。甘デジなので店員の巡回も少なく、対策部品も甘い。とは言っても4円交換であることには代わりはないため発覚が遅れた。

2008年 ぱちんこ「CR大海物語スペシャル」三洋

スタートセンサー近辺にアンテナを近づけ、大当たりノイズを拾ってから電波を発射するとデジタルが回り出し大当たりがかかる。

2008年 パチスロ鬼浜爆走紅蓮隊 爆音烈士編」アビリット

ライターの着火部分をつかった原始的な放電ゴトが、2010/03/20-21頃に全国で急激に発生。ネットに情報が書き込まれたからと推測される。100円ライターの着火スイッチを外し、3cmほど伸びている針金に20cmほどの針金を付け足すだけで完成。針金の先端をコイン投入口から真下に挿入して内部のセレクタ部分に密着させ、スパークを浴びせるだけでARTが無限に続く。多くのホールは稼働停止、アビリットは筐体の買い取りを実施。コナミ傘下入りの遠因とされる。こんな手口が今の遊技機で可能だったとは…。

2009年 ぱちんこ「CRスーパー海物語IN沖縄2」三洋

遊技台を持ち上げて下駄を差し込み、受信用セルをメインCPUに到達するまで差し込む。受信用セルに電波を発射すると直撃ゴトを発生させられる。物理的に密着しているため、仕込みの手間はかかるが安定した方法とされる。

2011年 パチスロパチスロサクラ大戦3」サミー

メーカー発表値と機械割(実際のペイアウト率)に相違があり、最低設定でも収益が上がらないことが発覚した。ホール側は電源を落として稼動中止させ、サミーは代替機の交換と、稼働日に応じた補償を行った。

CRサンドユニット「ブリッツ」日本ゲームカード

紙幣識別を誤認識させて、千円の信号を一万円の信号に変えてしまう驚異的なゴトが存在した。パチンコ業界だけで済む問題ではない。サンド本体のわずかな隙間からコネクタ部分に電線を差し込んで通電させるとその状態になる…らしい。

メダルサンド「PM1900」オーイズミ

コイン払い出し口の通過センサーが、非常に低い500kHzの電波の干渉を受ける。磁石を当ててセンサー通過中に玉止めした状態で電波を当てると過剰に払い出される。

参考

ぱちんこ業界紙(攻略誌ではない)のPOKKA吉田氏による著作

パチンコがなくなる日 (主婦の友新書)

パチンコがなくなる日 (主婦の友新書)

パチンコ オカルト信者につけるクスリ (扶桑社新書)

パチンコ オカルト信者につけるクスリ (扶桑社新書)

パチンコが本当になくなる日 (扶桑社新書)

パチンコが本当になくなる日 (扶桑社新書)

スーパーテレビ情報最前線 実録!今明かされる驚異のパチプロ集団 ~伝説の梁山泊を激撮180日~


コスモロール研究所

株式会社コスモローム研究所 ホールセキュリティ 遊技台のX線検査
掲載されているコラムは全部読みました。面白かったです。

ボツネタ供養:「クレーンゲームの歴史」後編(国内編)

2018/07/07追記 年表の末尾に例の事件を付記した。

当ブログ(PC版)のローディングに時間がかかるような気がするので、背景を変更してみました。

はじめに

前回は海外のクレーンゲームの歴史を記した。
eagle0wl.hatenadiary.jp

今回は、日本のアミューズメント施設の顔役であり、商業的にも成功しているにも関わらず、文化的側面は軽視されている「日本の」クレーンゲームの歴史を記す。

このエントリは、いわゆる景品の取り方講座のようなハウツー動画の類ではない。

今回のエントリで扱うクレーンゲーム機は、ここでは「プレイヤーがクレーンやアームを操作して、筐体内のプライズを直接あるいは間接的に払い出し口まで運び出すことを目的とするゲーム機」と定義する。クレーンゲーム機を除く「プライズ機」はここでは扱わない

日本のゲーム場

日本中にあるゲームセンター、アミューズメント施設の誕生と発展は、風俗営業法などの日本の法律と密接に関わっている。

1940年7月、第二次世界大戦が近づくにつれ「ぜいたくは敵だ」という風潮が強まり、娯楽や遊びに関するものが奢侈品(しゃしひん=ぜいたく品)とみなされる「奢侈品等製造販売制限規則」により、遊戯機器がすべて生産中止になり、設置運営もできなくなった。これがゲーム機に関する日本初の法規制であるとされている。

1945年8月、日本は敗戦を迎えたが、1960年代から本格的な高度経済成長期に突入する。その象徴の一つである「東京オリンピック」は1964年に開催されたが、日本のクレーンゲームにおいて重要な年は、翌年の1965年となる。

クレーンゲームと密接な関係にある出来事として、1971-1972年にピークを迎えたボウリングブームがある。1973年のオイルショックの影響で沈静化するが、筆者の母上曰く当時4~5時間待ちを経験したらしい。ボウリング場に併設されているゲーム機で時間をつぶす客によって、ゲーム場がさらに活気づくことになった。
www.nhk.or.jp

日本初のクレーンゲーム

1965年、国産初となるクレーンゲームが3つも登場する。

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JOYC2017 Final に行った&ジャッジスコア可視化ツールを作った

羽田空港国際線ターミナルで行われた JOYC2017 Final に行った。
f:id:eagle0wl:20171122224158j:plain
JAPAN OPEN YOYO CHAMPIONSHIP | JOYC2017概要まとめ

ジャッジスコアをリアルタイムに可視化するツール(正式名称はまだ決めてない)をテスト運用したので、そのレポートを公開する。直前まで発表が無かったのは、単に間に合うか本当にギリギリの状況(動くものができたのは当日の朝4時頃)だったからであって、他意はありません。ボランティアで動いている大会のスタッフは基本的にベストエフォートなのです。

www.slideshare.net

本システムで主に使ったコントローラ群。

Elegoo Arduino Nano 3個セット送料込みで1361円。本物は1個で2880円もする(スイッチサイエンス調べ)ので、爆安である。不具合は全く無い。その代わりCH340(USBシリアル変換)のドライバが必要。

ボツネタ供養:「クレーンゲームの歴史」前編(海外編)

はじめに

昔、さまざまなゲーム機の歴史を取り扱った動画シリーズである(本人曰く「MAD動画」)『ゲームグラフィックTV』に触発されて、「クレーンゲームの歴史」動画を作ろうとしたが、資料整理と脚本執筆まで終えたところで行き詰ってしまった。


映像を作るのは難しいし、ナレーションも恥ずかしい。しかし作文は得意だと思っている。ということで、ボツネタ供養としてブログ記事にしようとしたのが本エントリである。

資料整理と脚本執筆を行ったのは2012-2013年頃である。したがって、本文では2013年時点で得られた情報を元にしている。その間の2014年に「一般社団法人 日本クレーンゲーム協会」なる団体が設立されており、クレーンゲームの歴史が記されている。
kuretatsu.com

脚本執筆の時点では存在しなかったコンテンツなので、上記のサイトは参考にしていない。本ブログにリライトする際にもあえて参考にしていない。以下に記すのは筆者の独自研究である。その点理解してほしい。

ボツネタ供養を行うようになったきっかけ

は、この記事でも取り上げられている、Erie Digger である。この記事を見て、ヤフオクはもちろん洋書や海外通販(支払手段が限定されており、為替証書で支払ったこともある)を駆使して、様々な資料を取り寄せて読みふけった過去を思い出したのである。

【クレーンゲーム世界一のお店ならではの文化展示】クレーンゲームルーツの約100年前の貴重な手動式レトロ台を11月3日(文化の日)から3日間限定、無料展示します! | 株式会社東洋 | プレスリリース配信代行サービス『ドリームニュース』
www.dreamnews.jp

筆者の現在のクレーンゲームに対するスタンス

業界史は基本的に市場の勝者の歴史観(つまりポジショントーク)で語られることが多いが、できるだけ中立の立場を心がけることが知的にも誠実だと思っている。一応、執筆の前に筆者の立場を明確にしておく。筆者はクレーンゲーム業界の現状をあまり良く思っていない。こういう思想を持っているという前提にしてほしい。繰り返すが本記事は独自研究である。




※訂正:5割は言い過ぎだった。AOUの資料を見る限り3~4割程度のようだった。
※陳情を重ねて警察庁から引き出した「小売価格が概ね800円以内であれば問題ない」という(風営法には明記されていない)解釈は、有権解釈と呼ばれ法的な拘束力を持つものである。

以下ボツネタ本編。脚本(動画のナレーション)ベースでのリライトである。

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QuizChan on ブラウザ を公開した

はじめに

生放送中、くいずちゃんのインストールがうまくいかない方からのコメントを見かけたので、インストール不要で本家のインターフェースに準拠した簡易バージョンを作成した。

以下のリンクから利用可能。
www.eagle0wl.net

ブラウザ上で完結するのでWindows以外のOSやスマホからでも解答を投稿できる。iOSニコニコ動画アプリならば「バッググラウンド再生」を有効にすると、ブラウザに切り替えている間も音声は流れ続けるので、雰囲気は崩れないと思われるが、iPhone未所有につき未確認iOS 10で動作確認済み。

Android版アプリはバックグラウンド再生を有効にしても、生放送には適用されないのでブラウザに切り替えている間は音声は切れる。


関連エントリ
eagle0wl.hatenadiary.jp

新刊『大熱血! アセンブラ入門』を戴いた

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坂井さんの新刊『大熱血! アセンブラ入門』を戴いた。ありがとうございます。すこーしだけ協力させていただきました。

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まずこの本は鈍器である。1100ページ以上もある。入門とは。本書は、前作にあたる『熱血! アセンブラ入門』の増補版の位置付けのようである。こんな風にオフィスに届きました。重い!

入門と銘打たれているが、最初に紹介されるCPUはPowerPC。続いてMIPS。最もメジャーなはずのx86の話題が少ないように見えるが、これは様々なCPUを平等に扱った結果目立たないように見えるだけ、だと思う。でも「x86は初心者向けか?」と言われると多分違う。

本書で何度も記されているように、深く考えず、気が向いたときにつまんで読むべき本である。精読しようとすると間違いなくめげる。アセンブリとかCPUとかアーキテクチャの仕様を理解するには、わからない所があっても、何度も何度も繰り返し読んだり書いたりしていれば、ある日突然点が線につながるものなので、私が言うのもアレですが気楽に構えるべきだと思う。

それに、CPUの進化は基本足し算(機能が増える一方という意味)なので、どれか一つのCPUが理解できれば、2つめ以降のCPUを覚えるのはそんなに大変なことではない。頻出するニーモニック(movとかadd)なんかはほとんど同じである。バイナリ読めない人にMIPSちょっと読んでみろって言うのは酷だが、x86読める人にMIPSちょっと読んでみろっていうのは無茶振りではないはず(MIPSはIDA ProだとProfessional版でないと対応していないので難儀する)。

自分は業務レベルではx86とARM、趣味レベルで6502をかじっているが(それで6502の項目ではすこーしだけ協力させてもらった)、8bitから64bitまでのCPUや、FPGA(用のIPコアのアセンブラ)と広範で、カタログみたいに気楽に読む気になれば面白い。6502の項目は、癖の強いコードを吐くコンパイラであるcc65ベースとはいえ(6502対応のCコンパイラの選択肢がないからやむを得ない、gccZ80や6502に対応していない)、6502をある程度解説した書物が新刊で出たという事実もまた面白い。
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隣に着席していたマネージャは、組み込み開発で使っていたというMC68000に強く反応していた。世代の違うエンジニアでもCPUという共通の話題(?)で盛り上がれるので、まさかのコミュニケーションツールとしても活用できる書籍なのではないかと思うわけです。

目次を記したウェブサイトが見当たらないので、目次に記載のあるアーキテクチャ、チップを記す。

※2017/09/17追記 目次が公開されています。
大熱血! アセンブラ入門|書籍情報|秀和システム

PowerPC, MIPS, SuperH(SH), ARM, H8, i386, SPARC, PA-RISC, Alpha, PowerPC(64bit), MIPS(64bit), SH(64bit), x86-64, IA-64, MMIX, M32R, V850, i960, MN10300, FR30, FR-V, Xtensa, AVR, Xstormy16, 68HC11, 68000, VAX, PDP-11, S/390, MIPS16, Thumb(ARM), StrongARM, XScale, ARC, CRIS, M-CORE(モトローラ), MIST32, AArch64, RX, RL78, Blackfin, MSP430, SPU, MicroBlaze, Nios II, Z80, 6502

こうして並べてみるとすごくカオスです…。TRONCHIPは未調査扱いだが、gccのクロスコンパイル環境を整えればいけるらしい。

著者のサポートページは以下。
熱血/大熱血!アセンブラ入門 サポートページ

大熱血! アセンブラ入門

大熱血! アセンブラ入門

伊東の「ニューカルチャーの聖地」まぼろし博覧会に行った 前編 ドローン飛ばした

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(↑この写真は昨年撮影したもの)

静岡県伊東にある『まぼろし博覧会』に行った。日帰りではなく2泊もである。
maboroshi.pandora.nu

8月13日~15日の期間限定イベントである、アホの祭典「真夏のキモ可愛い文化祭」に協力として参加したからである。なぜ自分が2泊もして協力しているかって? まぼろし博覧会の母体である出版社(特に社長)に世話になったことがあるからだ。

この前編のエントリではドローン飛行について記す。後編ではまぼろし博覧会の観覧記録を記したい。

ドローンを飛ばした

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私は、眼前に国会議事堂がある情報セキュリティ会社で、IoTセキュリティを研究していたことがある。その関連で、会社の備品であるドローンを触れる機会があった(もちろん空撮や産業用途ではなく、IoTセキュリティの対象としてだが)。と言っても、私はバイナリを読んだり組み込み機器向けのプログラムを開発したり、自動車セキュリティの診断に関わったことはあっても、ホビーとしてのラジコンマニアという訳ではないので、総フライト時間は微々たるもので、操縦技術は初心者レベルである。

ドローンに関しては、国会議事堂の近隣にある首相官邸にPhantom 3が落ちたのが2015年4月で、すでに産業用途として急速に普及しているので、特に目新しい話ではなくなっているが、一般レベルでは実物を見たことがない人もまだまだ多いはずだし、自分なりに試行錯誤した結果を後学のために記したいと思う。

DJI製ドローンのInspire 1(昨年)とPhantom 3(今回)を飛ばした

去年のゴールデンウィークに、まぼろし博覧会でドローンを飛ばして欲しいという要望を受けて空撮を行ったことがある。その時使ったドローンはDJIの『Inspire 1』。産業用クラスの高額なドローンである。
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(↑この写真は昨年撮影したもの。この敷地はもともと植物園だったそうだ)


これはもちろん個人で所有している訳ではなく、会社の備品の借り物である(一応保険はかけている)。これに先立って、仕事の都合でひとめぼれスタジアム宮城で練習する機会があったので、一応ぶっつけ本番ではない。とはいえ、性能に物を言わせているので、何も考えなくても安定して飛ばせるのはスゴい。都内だと飛ばせる所がないからなー、と思ったが最近墨田区に屋内練習場が出来たらしい。
news.livedoor.com

まぼろし博覧会で飛ばした際には、200グラム以上のドローンに適用される航空法を遵守している。
www.mlit.go.jp

Inspire 1とPhantom 3の比較

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(↑DJIのInspire 1)

昨年行ったInspire 1による空撮がまぼろし関係者で受けたらしいので、本格的にドローンを導入することになった。とはいえ、さすがに4Kとかはオーバースペックだし、高度な操作を行う必要もないし、頻繁に使うわけでもなく、予算の都合もあるので、手頃な価格になった『Phantom 3 Standard』を選定した。
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(↑Anbeeの専用ケースに収めたDJIのPhantom 3 Standard)

今回の夏休みに飛ばしたのはこれである。文化祭の期間は終始曇りがかかっており、スポット的に大雨が降るような天候だったので試験飛行は諦めていたが、朝方(営業時間外)にそこそこ日が指したのでテスト飛行を行った。

試運転レベルに過ぎないが、価格帯が全然違うInspire 1とPhantom 3 Standardを操作して気づいた点を記したい。

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