この記事では、日本のクレーンゲームの誕生から進化、法規制、オンライン化までを、業界史と制度の両面から網羅的に解説します。
おことわり
この記事は、2017年に公開した以下の記事の改訂版です。主に文章の再構成と、2017年以降の出来事を追記しています。
改定前の記事の前編にあたる記事は以下を参照してください。
eagle0wl.hatenadiary.jp
目次
はじめに
今回は、日本のアミューズメント施設の顔役であり、商業的に成功を収めた一方で、文化的意義については十分に評価されてこなかった「日本の」クレーンゲームの歴史を記す。
このエントリは、いわゆる景品の取り方講座のようなハウツー動画の類ではない。
今回のエントリで扱うクレーンゲーム機は、ここでは「プレイヤーがクレーンやアームを操作して、筐体内のプライズを直接あるいは間接的に払い出し口まで運び出すことを目的とするゲーム機」と定義する。クレーンゲーム機を除く「プライズ機」はここでは扱わない。
日本のゲーム場
日本中にあるゲームセンター、アミューズメント施設の誕生と発展は、風俗営業法などの日本の法律と密接に関わっている。
1940年7月、第二次世界大戦が近づくにつれ「ぜいたくは敵だ」という風潮が強まり、娯楽や遊びに関するものが奢侈品(しゃしひん=ぜいたく品)とみなされる「奢侈品等製造販売制限規則」により、遊戯機器がすべて生産中止になり、設置運営もできなくなった。これがゲーム機に関する日本初の法規制であるとされている。
1945年8月、日本は敗戦を迎えたが、1960年代から本格的な高度経済成長期に突入する。その象徴の一つである「東京オリンピック」は1964年に開催されたが、日本のクレーンゲームにおいて重要な年は、翌年の1965年となる。
クレーンゲームと密接な関係にある出来事として、1971-1972年にピークを迎えたボウリングブームがある。1973年のオイルショックの影響で沈静化するが、筆者の母上曰く当時4~5時間待ちを経験したらしい。ボウリング場に併設されているゲーム機で時間をつぶす客によって、ゲーム場がさらに活気づくことになった。
www2.nhk.or.jp
日本初のクレーンゲーム
1965年、国産初となるクレーンゲームが3つもリリースされる。
さとみ工業(サミー)『Sammy Crane(サミークレーン)』
写真は後継機『Sammy Star Crane』のフライヤー(筆者所有)
同上
セガ『SKILL DIGA(スキル・ディガ)』
筆者所有のフライヤー(右が切れているのは気のせい)
太東貿易(タイトー)『Crown 602(クラウン602)』
画像出典:タイトーの歴史(ピンボール~エレメカの時代) 写真は後継機の『クラウン603』
写真は後継機『クラウン603』のフライヤー(筆者所有)
◤タイトーの歩み◢
— 70周年のタイトー🎉 (@Taito70th) 2023年4月27日
1965年
国産初のクレーンゲーム機「クラウン602」を開発。
最初は上からのぞいてクレーンで景品を持ち上げる形状で、お菓子の他、タバコ等も景品だったそうです。
「あなたの利益をガッチリつかむ!!」
宣伝文句も時代を感じます。
👣https://t.co/HbXCaV8J8o#タイトー70th pic.twitter.com/vHj93nafxD
※これらの筐体は、イタリア製ディガ『ジャガークレーン』を参考にして開発したとされており、どれも同じような意匠である。
どのメーカーも「国産初・日本初」を自称している。筆者が調べた限りでは、どれが本当の「国産初・日本初」なのかはわからなかった。業務用に卸された筐体だし、正式なプレスリリースなど存在しないだろうから、どれが本当の国産初クレーンゲーム機なのかはもうわからないだろう。
2025.05.19追記
本記事公開後に「「国産初・日本初」を自称している」ソースの再確認を行った。「公式発表・それに準じたソース」に限定すると、タイトーだけが該当した。(セガおよびサミーが国産初、日本初を自称しているソースは見つからなかった)。
クレーンゲームの日本上陸により、クレーンゲームの第一次ブームが起こったようである。タイトー公式のツイート(このアカウントは統合)によると、100坪のスペースにクレーンゲームばかり並べた店も現れたそうだ。しかし、ブームは数年で収束したと言われる。
日本初のクレーンゲーム登場後
一度は人気を得たとはいえ、クレーンゲームはそれほど注目されている娯楽ではなかった。
ギャンブル性を求めてタバコなどを景品とした大人向けクレーンゲームの営業が、1970年に風俗営業7号(ぱちんこ等)指定を受けた事例はあるものの、駄菓子を景品とした子供向けのクレーンゲームは警察から長く放任されていた。
これは1975年に明文化され、「子供を対象に菓子類を景品とすることを目的と」し「プレイ料金は30円以下」で「景品の限度額が90円以下」であれば、風俗営業法の適用外であると定義された。
1975年10月の警察庁通達(一部抜粋)
三十円までの遊技料金で、その価格が三倍までの賞品を払い出す、子ども向けのクレーン式等の遊技機営業については、七号営業の許可申請があっても受理しないことにする
これにより、提供される景品はアメ玉やキャラメル、チョコレートなどの駄菓子類に限定されることになった。そのため、筐体のバリエーションが拡充することもなかった。この時代を見ると、メーカーごとに違った意匠のクレーンゲーム機があったが、メーカーごとに基本形があって改良(マイナーチェンジ)程度の進化に留まっている。
駄菓子類が景品であったことから、当時のクレーンゲーム機は、遊園地やデパートの屋上、ボウリング場や飲食店、温泉地に置かれることになった。クレーンゲームの稼働により、ゲームコーナーが形成されたと言われている。
ただし、ゲーム場――今で言うゲームセンター――はほとんど存在しておらず、1978年からのインベーダーブームまで待たなければならない。
UFOキャッチャーの登場
長らく膠着状態の続いたクレーンゲーム業界、1985年に大きな動きが起こった。
セガの役員が韓国を訪れた際に、露店で安く売られていた検品漏れのぬいぐるみを大量に買い付け、クレーンゲームの景品にしたことは、有名な話だと思われる。このぬいぐるみ型の景品に対応するために開発されたのが、セガの『UFOキャッチャー』である。
筆者所有のフライヤー
『UFOキャッチャー』には、これまでのクレーンゲームにはなかった数々の意匠が施されている。開発者はショーケースを参考にしたと述べているが、見下ろし型の筺体ではなく、目線の高さに景品を配置したことで見通しが良くなったと同時に、大きなサイズの景品を扱えるようになった。ぬいぐるみ景品に対応すべく、これまでの主流だった3本爪から2本爪に変更されている。
セガのコーポレートカラーは青と白であるが、女性をターゲットにするべく、筺体カラーにピンク色を採用する決断を見せた。人気が出るにつれ、店外にも置かれるようになった。これは、(当時のゲームセンターの風紀的に)店の中に入りにくい人に配慮したものとされているが、結果として火がついたようだ。
当時を知るセガの関係者から筆者が聞いた話だが、初期の『UFOキャッチャー』には問題があって、獲得したプライズが通過する透明のパイプ部分の固定が甘く、パイプを押さえて揺らし続けると、やがて外れてパイプ周辺のプライズをゆすり落とすことができたとのことである。
注意:
上記の記述は、セガおよびセガサイドの発表資料だけに基づいている。当時の第三者から見た記述は発見できなかったので、ここで注記しておく。
風営法の管理下に入ったゲームセンター
しかし、『UFOキャッチャー』稼働開始の翌年となる1986年、アーケード業界の繁栄を揺るがす大事件が起こった。警察庁はゲームセンターを風俗営業法の8号営業(ゲームセンター)とみなしたのである。大筋としては二点ある。
- 未成年者のゲームセンターへの立入禁止
当時のゲームセンターは無許可で営業が可能で、24時間営業も可能だったが、一部の店舗では深夜に少年が出入りしても何の注意も行われなかったのは事実だった。業界団体は自主規制を敷いて対処したが、守らない店舗も存在した。
- ゲームセンターの営業の許可制
一部ではあるが、80年代においてビデオ麻雀・ビデオポーカー・ビデオスロットなどを利用したゲーム賭博が横行するようになった。これに乗じたメーカーに至っては、払い出し機能のある、完全に賭博を前提としたギャンブル機(BETマシン)をリリースしていた。
近年もなお、この年代に作られたと思われるギャンブル機を運用して逮捕される事例が確認されている。記事が消失しているのでここに転載する。
スポニチ 2015年1月27日
入手困難80年代ゲーム機で賭博、喫茶経営者逮捕 警察驚き「まだ現役なんて」三重県警は27日までに、津市で経営する喫茶店内にポーカーゲーム機を5台設置し客に賭博をさせたとして、常習賭博の疑いで経営者の男(40)=津市=と従業員の女(72)=同=を逮捕、送検した。ゲーム機はいずれも1980年代後半に流通したテーブル型で、現在は入手困難という。
三重県警が同様のゲーム機賭博を摘発したのは2003年以来。県警幹部は「こんな機械がまだ現役なんて」と驚いていた。経営者は自ら修理して使い続けてきたという。
1回のゲームで最大2000円まで賭けられるのが特徴で、捜査員が1万円札を使って実演すると、1分もたたず全額負けて取られた。店には他に、マージャンやスロットができるゲーム機が2台あった。県警は店内などから約1900万円を押収。売上金が含まれるとみて実態解明を進める。
逮捕容疑は17日午後3時ごろ、津市の無職の男(31)=賭博容疑で現行犯逮捕=にゲーム機で常習的に賭博をさせた疑い。
WebArchiveへのリンク
web.archive.org
こういったギャンブル機を取り締まる目的で、1986年3月に風営法が改正されることになった。
風営法を改正させた警察側の理屈
しかし、風営法を改正させるために警察側が採った手法は、今でも非難の対象となっている。
警察側が行った実演を伴う主張を要約すると「(ギャンブル用途ではないゲームが入った)アーケードゲームの筐体を用意して、そこから基板を取り出して、BET機能のついたギャンブル基板に交換すると、アーケード筐体がギャンブル筐体になってしまう。したがってアーケードゲームの筐体も取り締まる必要がある」というものである。
基板を取り替えたら別の用途になるのは当然のことであり、全くもって意味不明である。これに対して業界団体は抗議したが、風営法は改正されてしまった。
業界団体は40年以上、現在に至るまで規制緩和を訴え続けているのが現状である。現在、ゲームセンターの形態を取る店舗が風営法違反で摘発された例は一つも存在していないにも関わらず、である。
クレーンゲームブームの起こり
その一方で、景品の限度額が引き上げられたことで、プライズの品質を上げることができるようになったため、クレーンゲーム業界にとっては好機となった。これを受けて、セガはトイ事業部と連携することでアンパンマンのライセンス取得に成功。アンパンマンのぬいぐるみを投入したことがきっかけで、いわゆる「版権モノ」が増えるようになり、本格的なクレーンゲームブームが始まった。
筆者所有のフライヤー
1991年に稼働した『NEW UFOキャッチャー』は特に有名である。ピンク色の筐体にソニックから拝借したBGM、大量に製造されたこともあって、現在もゲームセンターで稼働し続けている。様々な魔改造が行われている機種でもある。
業者向けに『NEW UFOキャッチャー』に対応した非公認の改造キットも多数販売されたが、筆者の所感としてはかなり怪しいように感じる。自主規制のガイドライン(=景品は自動で払い出される必要がある)に違反しているように見えるからである。
様々なクレーンゲーム
『UFOキャッチャー』の大ヒットを受けて、他のメーカーからも数多くのクレーンゲームが送り出された。その種類は非常に多いため、今回は筐体の種類別にざっくりと紹介する。
1986年、ナムコ「スウィートランド」
写真は後継機『NEWスウィートランド』(1990年)
写真は後継機『NEWスウィートランド』のフライヤー(筆者所有)
多くのゲーセンで見られる、菓子類をシャベルですくうタイプの定番である。
フィールドは常に回転しており、タイミングをあわせてシャベルを動作させる。シャベルですくった菓子類はメダルゲームで見られるプッシャー上に置かれ、プッシャーから押し出された菓子類が景品となる。
数々のバージョンアップを重ねており、現在では「スウィートランド5」が多く稼働している(それ以前の機種は既にサポート終了)。無印の筐体は、ドーム型の透明板を特定の方向から押すとタガが外れて開いてしまうという問題があったことは、関係者の間で知られているエピソードの一つである。。
2001年、コナミ「ヒエヒエペン太」
冷凍庫としての機能を持ったプライズ機で、主な景品はアイスクリームである。値段やサイズ的にハーゲンダッツを選んでいる店舗を多く見かける。
スウィートランドと同様にフィールドが常に回転しており、タイミングよくシャベルを動作させることでプライズを狙う。アクションゲーム『けっきょく南極大冒険』の主人公でもあり、シューティングゲーム『パロディウス』で選択可能な機体でもあるペン太が冠されている。
2008年頃、アトラス「トリプルキャッチャーアイス
アトラスからも、冷凍庫の機能を持ったプライズ機がリリースされている。現在置かれている冷蔵・冷凍庫の機能を持った筐体のほとんどがこれである。
こちらは3本爪でフィールドも広いため、温度調整によりラムネやエナジードリンクなどの飲料水を入れたり、通常のプライズ機としても転用できる。
アイスクリームは溶けてしまうので、基本的にその場で食べなければならない。店舗側にしても、空き容器や木製スプーンのゴミが発生したり、手や筐体がベタベタしてくるなど運用上の問題も露見している。ちなみに、アイスクリーム類に賞味期限の表示義務は存在しない。
2000年、ユーエス産業「サブマリンキャッチャー」
いわゆる「伊勢エビキャッチャー」。伊勢エビの価格は、当時の自主規制である800円以下をクリアしているらしい。水槽の温度調節でペイアウト率を調整するなど運用方法はかなりユニークだが、維持費が大変そうである。
当時はテレビなどでも話題になったが、動物愛護団体による「動物虐待」という非難に対して、ユーエス産業の社長は「釣り堀と同じものだということがわかっていない。ヒヨコやハツカネズミなら動物虐待になるが、伊勢エビは食材だ。こういう区別ができないと、倫理観をいたずらに混乱させるだけだ」と反論している。
動物虐待論は沈静化したが、維持費やメンテナンスの問題から、現在ではごく少数の店舗での運用にとどまっているようである。
ここからは一般的なクレーンゲームを紹介する。
2001年、セガ「UFOキャッチャー7」
この頃から、本体設定にてペイアウト率を設定できる機種が多くなる。
昔の機種は、アームの強弱をバネの交換で決めていたが、この機種以降はマイコンで強弱を制御できるようになったため、コンパネからデジタルな数字を入力することで強弱を調整する。
「UFOキャッチャー7」に限らず、現在の機種は決められたペイアウト率(あるいは原価率)を守るように、インカム(投入金額)に応じてアームの強弱を動的に決定している。連コインするとアームが強くなったり、景品取得直後にアームが弱くなることがあるが、これはペイアウト率の調整の結果と考えて良い。
最新の機種のペイアウト調整は、アームの握力調整だけでなく、押し込みを前提とした攻略方法にも対応している(下降制限を動的に決定できる)。
セガの「UFOキャッチャー」は、クレーンゲームの代名詞として扱われることが多いが、クレーンゲームのシェアを追い抜いたのは、2004年に稼働したバンダイナムコゲームズの「クレナ・フレックス」と後継機の「クレナ・フレックス2」である。
2004年、ナムコ「クレナ・フレックス」
筆者所有のフライヤー
「クレナ・フレックス」の最大の特徴は、払い出し口が従来の右端・左端のように固定されておらず、全面が払い出し口になっていることである。
さらに、連結型のパネルなどにより、フィールドを自由に組み立てることができることから、様々な大きさや形状のプライズに対応できるようになり、取り方のバリエーションも豊富になった。
景品の払い出し口にはセンサーが取り付けられており、設定されたペイアウト率を守るように、アームの強さは自動調整されている。
非常に練りこまれた設計は数多くのゲームセンターに受け入れられ、他のクレーンゲームも追従し、ゲームセンターでの運用に配慮した設計にシフトするようになった。
言い方を変えると、「取れそうだけど取らせない」台を簡単に作ることができるようになった訳であり、客側としては一番だまされやすい機種でもある。良くも悪くも現在のクレーンゲームのひな形となった機種である。
最後に、近年姿を表した、私が気になった機種をいくつか紹介する。
2010年、UFOバランスキャッチャー
筆者所有のフライヤー
見ての通り、『ダンスダンスレボリューション』のように足で操作するキワモノである。
AOUでの展示の後、クラブセガ秋葉原新館でロケテストが行われていたことを確認したが、程なくして撤去されていたので、やはりキワモノだったようである。いわゆる旬の景品を入れていなかっただけなのかもしれないが…。
完全に余談ではあるが、セガのフライヤーなどを見ると、ある時期から著作権表記から西暦が記載されないようになっている。つまり当初は「©SEGA 2017」のような表記だったが、現在は「©SEGA」に統一されている。中の人に聞いた所、発売延期による修正の手間を省くためらしい。
UFOキャッチャー(正式名称不明)
※写真なし
これもまたクラブセガ秋葉原新館でロケテストが行われていた機種である。写真を撮影したつもりだったがデータが見つからなかったので、以下は覚書程度。
外観は『UFOキャッチャー9』に近いが、後付けではなく標準で電子マネーに対応していることが特徴である。
スペースインベーダーから続く1回100円の収益モデルは既に限界に来ており、物価の変動や消費税の増税に全く対応できないので、その打開策として電子マネーの導入が急ピッチで進められた。
Suicaが普及する以前の2009年、タイトーは一部店舗で試験的に1回120円(100円を1枚、10円を2枚入れて遊ぶ)に値上げしていたことがある。値上げそのものは理解できるものの、遊ぶ側にとっては大迷惑。当然ながら閑古鳥が鳴いて取りやめとなった。
しかし、驚くべき特徴は別にある。いわゆる連コインを続けると、握力のアシストが得られることが明文化されていたのである。この手のペイアウト調整は今まで暗黙的に行われてきたことだが、こんな事を言って良いのか疑問に思う。
風営法の解釈の変移
景品の上限金額の変移
ゲームセンターが風営法の管理下に置かれるようになってから、業界側の要望により景品の限度額が市販価格の90円から200円に引き上げられた。
警察庁防犯課は、限度額を引き上げることは決めてはいたが、通達は行われないまま実施することになった。続いて1990年、AOU(全日本アミューズメント施設営業者協会連合会)の警察関係社団法人化(=AOUが警察官僚を受け入れたことによる影響)などの理由で、景品の限度額を200円から500円、1997年には800円と引き上げられ、2022年には1000円になった。800円から1000円に引き上げられるまで、25年もかかっている。
業界団体は、風営法の解釈・運営に関する陳情を警察庁に提出し続けたが、この上限金額の引き上げに関する法的根拠は示されていない。
業界団体が陳情を重ねて、自主規制を行った結果「小売価格がおおむね1000円以下」であれば問題ないという「有権解釈」を得ている。
有権解釈は権限のある機関によって行われる法の解釈のことで、法的な拘束力があるが、あくまで公権力による「解釈」である。したがって「1000円以下」という金額の記述は、警察庁の通達にはあるが、風営法にはないことに注意したい。
クレーンゲームは触法機種?
※ここで言う『賞品』『景品』はそれぞれ法令上の意味を持ちます。
日本において、賞品を提供するゲーム機を設置して「遊技の結果に応じて賞品を提供」できるのは、風俗営業法の4号営業(旧7号)にあたるぱちんこ・パチスロ店だけである。
つまり、5号営業(旧8号)のゲームセンターは「遊技の結果に応じて賞品を提供」できない訳だが、これに則ればクレーンゲーム自体が触法機種となり、本来であれば設置すらできないのである。
警察庁の通達(有権解釈)によれば、払い出される物品の「小売価格がおおむね1000円以下」であれば、「遊技の結果に応じて賞品を提供」することにはあたらない、とされている。
警察庁の通達の出典:JAIA Press 2022年3月号
https://jaia.jp/wp-content/uploads/2022/03/202203.pdf
JAIA(一般社団法人日本アミューズメント産業協会)が発行する機関誌。警察庁の通達と、JAIAの陳情内容が記載されている。
簡単にいうと、クレーンゲームで「賞品を提供していい」ということになったわけではなく、「そもそも払い出される物品は賞品ではない(=だから賞品は提供していない)」ことになっているのである。
それでは、実際に払い出される物品は一体何なのかという疑問が起こる。払い出される(ように見える)ものは、それ自体価値のあるものではなく、ゲームの勝ち負けを表示する代わりのものに過ぎないという風に説明されることがある。
さらに、賞品をあげていないという解釈である以上、全く景品を取れない設定にしても何ら問題は生じないのである。となると、クレーンゲームは、法的には「景品を取るゲーム」ではなく「クレーンを操作するゲーム」が主体であって、ゲームの勝ち負けを表示する景品の払い出しはおまけ程度(なくてもいい)の存在ということになる。
クレーンゲームから払い出される物品は一体何?
前項では「賞品」と「景品」の表記を意図的に混在させているので、注釈を加える。
何らかの努力の結果で与えられるのは「賞品」である。ぱちんこやパチスロには技術介入があるという前提(やや無理があるが)であるため、出玉と交換できる物品は「賞品」である。ゲームセンターでは風営法により「賞品」を提供することはできない。
一方で、くじ引きに参加したり、懸賞に応募して抽選でもらえるものや、商品(本取引)のおまけとしてついてくるものは、景品表示法の観点では「景品」と解釈されている。商店街のくじ引きで得られるものは「景品」である。
であるならば、クレーンゲームの位置付けとしては「クレーンを操作すること」が商品(本取引)であり「クレーンゲームから払い出される物品」は、景品表示法の規制を受ける「景品」になると考えるのが自然である。
しかし、消費者庁表示対策課によると、クレーンゲームは「クレーン操作をすること」が課金の主たる目的であり、その過程で獲得できる物品については、景品表示法が定める「景品」の定義にあてはまらず、規制の対象外となると認識しているとのことである。となると、景品という呼称も厳密には間違っていることになる。
なぜゲームセンターで賞品を提供することはできないのか
クレーンゲームで魅力的な物品を提供できるようになったのは、業界の自主規制の遵守と、粘り強い陳情活動、そして企業努力の賜物である。
しかし前述のとおり、その根拠は法律(風営法)に明記されているわけではなく、警察庁による「有権解釈」(通達)のみで運用されている。この極めて不安定な立場は、万が一業界が不祥事を起こした場合、法改正を経ることなく、警察庁の判断ひとつでクレーンゲーム全体が市場から排除されかねないリスクを孕んでいる。
これは、業界が抱える重大なビジネスリスクである。実際には、40年以上にわたり業界団体が「ゲームセンターの健全化」を掲げて厳格な自主規制を敷き、それを遵守してきたため、大きな問題には至っていないのが現状である。
とはいえ、業界側としては、こうしたリスクを根本的に取り除くべく、クレーンゲームからの払い出し物を「賞品」として、正当に提供できるよう法制度の見直しを求め続けている。
なぜぱちんこ・パチスロ店だけが賞品提供を許されるのか――「既得権益」の歴史的背景
ここでよく引き合いに出されるのが、「なぜぱちんこ店では賞品の提供が認められ、ゲームセンターでは認められないのか。それは既得権益ではないのか」という指摘である。
「既得権益」と聞くと政治的意図や利権の存在を想起させるが、実態はもっと制度的かつ歴史的な事情に起因する。1948年にぱちんこ店が風俗営業の管理下に置かれた当時、すでに賞品の提供は一般的に行われており、社会的にも認知されていた。一方で、1986年にゲームセンターが風営法に組み込まれた際には、当時のゲームセンターでは賞品らしきものは(少額の菓子類などを除き)ほとんど提供されておらず、それが「賞品」であると認識されることもなかった。
その結果、それぞれが当時の営業形態を基準に風営法の適用範囲が定められ、ぱちんこ店は「賞品の提供が許される」7号営業(現:4号営業)に、ゲームセンターは「賞品の提供が許されない」8号営業(現:5号営業)に分類されることとなった。
このような経緯から、ゲームセンター業界は現在に至るまで、40年以上にわたり制度上の再定義を求めて陳情を続けている。これがいわゆる「ぱちんこ店の既得権益」の正体である。
新型コロナウイルス感染症とゲームセンターの危機
2020年春の緊急事態宣言により、全国のアミューズメント施設は営業自粛・時短営業を余儀なくされた。これにより、ゲームセンターの来客数は激減し、体験型のクレーンゲームも打撃を受けた。
コロナ禍の影響が最も厳しかった東京のゲームセンターは、おおむね3ヶ月の営業自粛を行ったが、これは4半期の利益が丸々失われたことを意味している。
また、自治体が求めた時短営業の対象にはゲームセンターも含まれていたが、飲食店に対しては「要請」であるのに対し、ゲームセンターは「協力依頼」という低い位置づけだったため、特別措置法に基づいておらず、協力金は支給されなかった。
2020年には「セガ秋葉原1号館」などの名物店舗が閉店した。これはセガサミーがアミューズメント施設事業から段階的に撤退したこととも関係している。セガの運営するアミューズメント施設は、2020年8月にGENDAに譲渡され「GiGO(ギーゴ)」ブランドへと順次改称された。
オンラインクレーンゲームの台頭
コロナ禍の影響で「非接触型エンターテイメント」が注目され、オンラインクレーンゲーム(リモートクレーン)業界が急成長した。
インターネットを通じて利用者がクレーンを操作して、景品を獲得できたら郵送してくれるというウェブサービスである。土地の安いどこかの倉庫にたくさんの筐体を並べて、それをウェブカメラで中継。ブラウザ経由で遠隔操作するというものである。
「ネットキャッチャー『ネッチ』」は、オンラインクレーンゲームの先駆けとなる存在である。当初は法的問題を含めて謎の扱いではあったが、業界向けの展示会に出展され、セガ、タイトーなどの大手も追従するサービスの提供を開始した。現在では同様のサービスは多数存在する。
なお、先駆者である『ネッチ』は、2024年にサーバーの不具合が発生し、そのまま復旧されることなく夜逃げ同然の形でサービスを終了している。
オンラインクレーンゲームは、いわゆる無店舗型で、風営法の適用外となることが「グレーゾーン解消制度」によって確認されたため、24時間営業が可能な点が画期的である。
参考:オンラインクレーンゲームのサービス提供に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の取扱いが明確になりました(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/160729_press.pdf
その一方で、景品の獲得確率や公正性についての不満も発生している。一部のオンラインクレーンゲームに至っては「プレイステーション4」や「ニンテンドースイッチ」といった高額景品が取り扱われていることがあり、それに合わせた高額なプレイ料金による射幸性の高さが批判されている。これらは消費者保護の観点から問題視されており、今後の議論の進展が注目されている。
いわゆる「確率機」への批判
クレーンゲーム機(やプライズ機)に搭載されている、ペイアウト率(あるいは原価率)を守るために「アームが強くなる」「アームが弱くなる」といった確率機としての仕様が明文化される事例が増加しており、YouTubeやSNSを通じて、その仕組みが一般に広まりつつある。
景品獲得があまりに難しい設定や、設定されたインカム(投入金額)に達しない限り絶対に取れないようになっている設定や、そういった設定のできる機種に対して、不当景品表示や詐欺罪との境界が議論の的になっている。
2017年には、浪速区のゲームセンター運営会社が、絶対に取れない設定にしたプライズ機を運用して、社長と社員の6名が詐欺罪で逮捕されている。店員は取れる設定で実演してから、絶対に取れない設定に変えてから客に遊戯させ、客を煽るような接客を行っていたことが「客の心理を巧みにつき、悪質だ」とみなされたようである。
www.nikkansports.com
参考資料
『ゲームマシン』(アミューズメント通信社)
www.ampress.co.jp
1974年創刊という歴史ある業界紙。2022年に休刊。創刊号からの膨大なアーカイブを読むことができる、第1級の歴史資料。
『月刊アミューズメント・ジャーナル』(株式会社アミューズメント・ジャーナル)
『月刊アミューズメント・ジャーナル』バックナンバー各種
画像出典:月刊アミューズメント・ジャーナル2017年10月号
業界紙。市販されているものではないので、ヤフオクで入手した。
その他
筆者が入手した各種クレーンゲーム機のフライヤー(チラシ)
付録:年表(国内編)
1940.7
第二次世界大戦が近づくにつれ「ぜいたくは敵だ」という風潮が強まり、娯楽や遊びに関するものが奢侈品(しゃしひん:ぜいたく品)とみなされる「奢侈品等製造販売制限規則」により、遊戯機械がすべて生産中止、設置運営も不可能となった
1941.12
真珠湾攻撃を行い宣戦布告
1945.8
終戦
1960
米国から輸入したガンゲームを設置した遊戯場が各地に現れる
1962-70
高度経済成長期
1962.9
新宿に本格的なボウリング場が開業
1964
東京オリンピック
1965
エレメカの一種である駄菓子屋ゲームの製造を行う「こまや」創業
ボウリングブームが始まる。ボウリングの待ち時間をゲーム機でつぶす客によって、ボウリング併設のゲーム場はさらに活気づいた
「国産初」のクレーンゲームが3種類リリースされる
『Crown 602(クラウン602)』(太東貿易/タイトー)
『SKILL DIGA(スキル・ディガ)』(セガ・エンタープライゼス/セガ)
イタリア製ディガ『ジャガークレーン』を参考にして開発したと言われている。
『Sammy Crane(サミークレーン)』(さとみ工業/サミー)
1970
タバコ等を景品にした大人向けクレーンゲームの営業が風俗営業7号(ぱちんこ等)指定を受ける
1971
メダルゲーム場が発生。メダルを金品に交換しなければ賭博にならないという前提で営業されている(シグマを創業した真鍋勝紀が掲げた、いわゆる真鍋理論)。
セガ・国産初のフリッパー機(ピンボール)「ウィナー」をリリース
1973
オイルショック発生。ボウリングブーム沈静化。円が変動相場制に移行
1975.10
警察庁は通達で「三十円までの遊技料金で、その価格が三倍までの賞品を払い出す、子ども向けのクレーン式等の遊技機営業については、七号営業の許可申請があっても受理しないことにする」と定めている。これは景品を払い出すことのできる機種をクレーンゲームなどに限定するとともに、払い出される景品に一定の制限を設けることにより、パチンコなどの「射幸遊技」との混同を避け、財物提供の可能性をなくす動きをしたことで評価される。以降、ゲーム場には、賞品提供の可能な児童向けのクレーンゲーム機などが例外としてあったが、圧倒的多数のエレメカと73年から登場するビデオゲーム機では賞品提供は全く行われないというのが一般的になった。
子供を対象に菓子類を景品とすることを目的とした、景品の限度額90円以下の少額景品のクレーンゲームの営業は、もともと警察庁からは放任されてきたが、明示的に風俗営業法の対象外とされるようになった。
1978
「スペースインベーダー」リリース。インベーダーハウスが多数開店し、これらは後のゲームセンターとなる。日本中の喫茶店のテーブルがインベーダーのテーブル筐体になる。
1981
紙幣識別機能つきのビデオポーカー機が出現、賭博遊戯場が全国に蔓延する
日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)設立
世界初のコンピューター麻雀ゲーム「ジャンピューター」リリース
1982
賭博営業者と警察との癒着が発覚、警察汚職が社会的問題として注目される
1983.7
「警察白書」では急増する賭博遊技場との関連を挙げ、「ゲームセンター等に設置された遊技機は、七九年ごろはインベーダーゲーム等技術介入性のある遊技機が主流を占めていたが、八一年後半ごろからポーカーゲーム機等技術介入性のない遊技機が設置されるようになり、これが全国的に急激な広まりをみせた」としてTVポーカー機による賭博犯が急増したと指摘
1985
セガから「UFOキャッチャー」稼働開始
1986.3
警視庁はゲームセンターを風俗営業法の8号営業(ゲームセンター)とみなすようにした。一方、業界側の要望により、景品の限度額を市販価格の90円から200円に引き上げた。警察庁防犯課は、限度額を引き上げることを決めてはいたが、通達は行なっておらず、結局、通達のないまま実施することになった。
ナムコ「スウィートランド」
1990
AOUの警察関係社団法人化(=警察官僚を受け入れた)にともない、景品の限度額が200円から500円に引き上げられた。しかし、この上限金額の引き上げに関する法的根拠は今回も示されていない。それどころか、ゲームセンターは「8号営業」だが、都道府県警察本部より「7号営業(ぱちんこ、麻雀店)」との関係で矛盾するという指摘を受けているが、それに対する説明は成されていない(AOUも風営法の解釈・運営に関する陳情を警察庁に提出している)。
ナムコ「NEWスウィートランド」
1991
セガ「NEW UFOキャッチャー」
1992
この頃から景品にコピー品が流通し社会問題となる。ぬいぐるみ、海賊版DVD、偽ブランド品など同時に、高額商品を提供して摘発される店舗も発生する
1994
(プライズ製造大手となる)バンプレストが手芸会社ユニファイブを子会社化。
1997.11
AOUの掲げる、景品の限度額を引き上げることを盛り込んだ自主規制「ゲームセンターにおける景品の取扱いに関する要領」により、景品の限度額が500円から800円に引き上げられた。前回と同じく法的根拠は示されておらず、新風営法との矛盾点も含めて棚上げされたままである。NSA(日本SC遊園協会)はこれまで通り500円以下とするよう申し合わせている。
1998
キャラクターぬいぐるみの景品が増える。
1999
バンプレスト「コンビニキャッチャー DX」
2000
ユーエス産業「サブマリンキャッチャー」(いわゆる「伊勢エビキャッチャー」)
2001.3
ガシャポンやクレーンゲーム機を通じて手に入れたレーザーポインターで事故を起こす例が多発し、消費生活製品安全法に基づいて、製品の審査のもとPSCマークの表示が義務付けられるようになる。
2001
バンダイナムコゲームズ「ワイワイクリッパー」
バンプレスト「コンビニキャッチャー」
コナミ「ヒエヒエペン太」
セガ「UFOキャッチャー7」
2003
セガ「UFOキャッチャー MAXエディション」
売り上げが最多の2172億円/ゲーム店全体の34%を占めるようになる
2004
セガ「UFOキャッチャー7 second」
バンダイナムコゲームズ「クレナ・フレックス」
2008
セガ「UFOキャッチャー8」
2011.3
東日本大震災。その影響でゲームセンターの売上は過去最悪となる。以降、筐体に使われる照明がLEDに置き換えられ、消費電力を抑えたモデルが各社からリリースされる。
2012.11.29
インターネット経由でクレーンゲームを操作し、獲得した景品を郵送するサービス「ネットキャッチャー『ネッチ』」開始
2014.10
いわゆるダンス規制法と風営法改正案が閣議決定。第1号~第8号までの現在の風俗営業は第1号~第5号までとなり、ゲームセンターは第5号営業と定義された。
風俗営業の定義(改正前)
1号営業 キャバレー等
2号営業 料理店・社交飲食店等
3号営業 ダンス飲食店
4号営業 ダンスホール等
5号営業 低照度飲食店
6号営業 区画席飲食店
7号営業 マージャン店・パチンコ店等
8号営業 ゲームセンター等スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備風俗営業の定義(改正後)
第2条第1項第1号 キャバクラ、キャバレー等
第2条第1項第2号 低照度飲食店
第2条第1項第3号 区画席飲食店
第2条第1項第4号 ぱちんこ、麻雀等
第2条第1項第5号 ゲームセンター※「性風俗営業」は名前こそ似ているが全くの別物
2014.11.21
衆議院が解散し臨時国会が閉会。上記のダンス規制法と風営法改正案は廃案となる。
2015.3.3
昨年廃案となった、いわゆるダンス規制法と風営法改正案を改めて閣議決定
この改正案には、ゲームセンターにおける18歳未満の立入制限に関する規定も含まれている
2016.6.23
風俗営業法の改正により、ゲームセンターの未成年の入場制限が緩和。保護者同伴に限り16歳未満でも、18時~22時まで在店が可能となった(地域差あり)。ゲームセンターの立ち入り規制の改定は31年ぶりとなる。
2016.11.29
秋葉原のクレーンゲーム専門店「秋葉原クレーン研究所」が『ラブライブ!』のパチ商品をプライズにしたことで経営法人と社長が書類送検される。ゲームセンターが著作権法違反で摘発された初のケースとなる。この系列店舗にかぎらず、pixivなどからの同人作品を印刷したプライズが多数存在するが、権利処理がなされたものかは不明。
web.archive.org
2017.12.23
大阪市浪速区のゲームセンター運営会社「アミューズメントトラスト」がミナミの2店舗で、絶対に取れない設定にしたプライズ機を運用して、社長と社員の6名が詐欺罪で逮捕された。被害相談から、少なくとも600万円以上をだまし取っていたとされている。大阪地裁では有罪判決。プライズ機絡みでの詐欺罪はたぶん初。
www.nikkansports.com
テレビで放送されていた押収物には、筐体名のロゴがマスクされていたが「前後左右に操作できるはさみを使い、吊された糸を切ったら景品がもらえる仕組み」の確率機が映っていた。店員は取れる設定で実演してから、絶対に取れない設定に変えてから客に遊戯させ、客を煽るような接客を行っていたことが「客の心理を巧みにつき、悪質だ」とみなされたようだ。日刊スポーツの記事によれば、「前後左右に操作できる円柱を穴にさし込めれば景品がもらえる」別の確率機(これ?)も運用していたようで、1プレイ1万円の筐体もあったらしい。
2018.4.1
AOUとJAMMAが合併し、後継となるJAIA(一般社団法人日本アミューズメント産業協会)が設立
2020-
新型コロナウイルス禍によるゲームセンターの閉店が相次ぐ
2022.3.1
JAIAによる陳情により、警察庁の通達である「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」が改正され、景品の限度額が800円から1000円に引き上げられた。前回の改正と同じく「解釈運用基準」にとどまっており、法的根拠は示されていない。