ど~もeagle0wlです(再)

140文字では収まらないネタを記録するブログ

history2gamelist を更新しました

このブログを始めるきっかけとなったRetroPieはすっかり飽きてしまったのだが、2年が経過してRetroPieが更新されたことで、少しずつ情報が変わっているようだ。まずは、ウェブ上にあるMAME用のファイルからgamelist.xmlに変換するスクリプト『history2gamelist』が古くなっていたので更新することにした。
github.com

詳しい使い方はリンク先参照。レイアウトを整えた上でこのスクリプトで作ったgamelist.xmlをブチ込むと、こんな賑やかな画面になります。
f:id:eagle0wl:20171024002815p:plain

主な変更点:

  • RetroPieが推奨するアーケードエミュレータが少し変わっていたので追従した
  • Python2からPython3に変更した(Python2では動作しません)

懸念事項:
『history2gamelist』の動作に必要なデータベースのひとつがgeocities.jpにあるので、2019年3月31日に消えてしまう。
mame_jp.lst
MAME32 Plus! 0.146r5027用 Japanese Game List
http://www.geocities.jp/mamelistjp/

動作確認済みとされているタイトル数の調査

『history2gamelist』から2年が経過して、その間に動作確認リストが大きく更新されたようです。Compatibility Listで挙がっているタイトルの数と、そのうちOK(動作確認済み)となっているタイトル数を調査しました。
2018/11/25調べ

RPi0/1 RPi2 RPi3
lr-fbalpha 17/4896 198/4896 1051/4896
lr-mame2003 56/4720 514/4720 2676/4720
Mame4all 225/2271 1850/2271 339/2271
pifba 111/ 684 274/ 684 80/ 684


関連エントリーはこちら。
eagle0wl.hatenadiary.jp

『ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏』を読んだ


縁があって青山プロデューサーより発売前に紙の本をいただきました(Kindle版も入手したがこちらは自費)。本をいただいた以上感想を書くのは礼儀だと思っているのでつらつらとネタバレ回避を意識しながら書いてみます。

とても読みやすい本だと思います。MMORPGとしてのドラゴンクエストXが持つ、数多くある複雑な技術要素を平易に記そうという努力が伝わります。何よりも「MMORPGの開発/運営/運用ノウハウを記した書籍」がまっっっったくと言っていいほど存在しないはずの現状に対して、国内最大手MMORPGである『ドラゴンクエストX』を題材にした解説書が出たという点が希少価値なんです。

ただし、具体的な実装方法には踏み込んでいないので、これ1冊で何か作れるようになるというものではないです。解説項目が多岐に渡っているし、個々のトピックスを下手に掘り下げると収拾がつかなくなるから、このぐらいのバランスで良いと思います。エンジニアの末席にいる私としては少し物足りないと感じる箇所はありましたが、読む人によって重視したい点もバラバラだろうから仕方ないですね…。

「ゲームの作り方」みたいな本はいくらでもあるんですよ。これが「オンラインゲームの作り方」になると本当に数えるほどしか存在しないんですよ。なぜか? ゲームを一つ作るだけでも様々な専門技術が必要なのに、オンラインゲーム、特にMMORPGともなると、本書の章立ての多さからわかるように「面白いゲームを作る」だけではダメで、さらなる専門技術を動員する必要がある。その専門技術もだいたいはゲームの面白さとは直接関係しない(大量の同時接続を捌けるサーバーを構築できたとしても、ユーザーからしてみれば「動いて当然」となる)。それゆえに、相当の予算と覚悟も必要となる(そういう意味では、ひたすらオンラインのFPSMMORPGを送り出し続けている韓国はすごいと思う)。当然ながら、開発会社も膨大なリソースを投入して獲得したノウハウを大盤振る舞いで開示したりするようなことはしない。

概要には「著者のこだわりによりプログラミングやドラゴンクエストXの事前知識がなくても読み進められるよう丁寧に解説しています」とあり、対象読者に「ドラゴンクエストX冒険者のみなさま」(=プレイヤー)が含まれていることから、「メモリ」「CPU」みたいな超基本的な技術用語や、「プロデューサー」と「ディレクター」の役割といったゲーム業界用語の解説から行われているので、前半はなんとか読み解けると思います。後半ではサーバーサイドの話が出てくるので、非エンジニアの「ゲーム好き」だと読み解くのは少し大変かもしれない(何度か読み返せば理解できるはず)。

本書では、開発環境や運営体制などが一通り書かれていますが、時折見せる具体的な数字(「ドラゴンクエストXC++ソースコードは1,000万行以上あり」「ドラゴンクエストXのサーバログは1日に約100億行です」「結果として0.00002秒の通信遅延がときどき発生していました」)からフリーザ様のような絶望感を覚えるわけです。いちプレイヤーとしてみれば、それだけの大プロジェクトであるという認識でいいと思うんです。ただ、いちエンジニアとしては、これは本当に娯楽を提供するための設備なのか? 金融とか信販系のレベルではないのか? とも思うのです(基本オンプレミスだし、一部のバックエンドは銀行レベルのスペックのものを使っていることが記されている)。

当然ながら、大勢のプレイヤーが好き勝手に動くMMORPGにおいて、いきなり決定版を世に送り出せるかというとそうはいかず、様々な不具合や高負荷、障害に直面するたびに「こうやって工夫して乗り切った」ことがいろいろと書かれています。文章上では、比較的淡々と書かれているように読めましたが、徹夜で対処を行い体得したものが血となり肉となっているはずだから、注意深く読んでみると味わい深いものがある…はず。

最終章である「第12章 不正行為との闘い」は開発者側から語られることがほぼないトピックスであり、一番気になるところではないだろうか。自分も気になったが、読んだ感想としては「そら安易に手の内を明かす訳にもいかないよなあ」といったところであり、これはどうにもならない。RMT対策について、業者特有の行動のクセに言及していたのは面白かった。チートに関しては、本書の表現では「明確に問題視された」1件について触れている(これは刑事事件化している)。この辺は無闇に情報を開示するわけにもいかないので仕方ないことだろう。

ということで、本書が持つ様々なキーワードに気になるものがあったら、読んで損はないと思います。これ1冊読んだだけではゲームを作れるようにはなりませんが、ドラクエXを実現するために必要なたくさんの要素をインデックスとして頭の中に持つことは、ゲームの中身が気になるという人にとっては絶対にプラスになるはずです。デザイナーやプランナーも読んだほうが良いと思いますよ。あと、オンラインゲームもある種の「異世界モノ」と言えるので、そういう小説を書きたい人はディテールを深めるためにも良いかもしれない。最後にひとつ。「あとがき」にある、「最高の技術力」の定義が素敵だと思いました。これは各自で確認してほしいです。

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カバーをはずすと「たけやりへい」が…(Kindle未収録)

Kindle版について

レイアウトは紙の本そのままではなく、電子書籍用にある程度組み直されている。巻末の索引は単語の羅列だけになっているが、Kindleの検索機能を使えばいいので特に問題はない。

枝葉にも程がある誤字指摘:紙の本ではp187
誤 シングルポイントには最新の注意を払う必要があります。
正 シングルポイントには細心の注意を払う必要があります。

技術評論社「ドラゴンクエストXを支える技術」が11/14に発売されるらしい

表題の本を執筆中であるという話は、今年の頭からちらほら聞こえていたのですが、ついに出るそうです。
hiroba.dqx.jp

Amazonでは紙媒体しか出ていないが、発売同日に電子書籍版も出るそうです
個人的には、かさらばず検索ができる電子書籍版がほしいのですが、紙のレイアウトベースで組版されていて、スマホでは見づらくタブレットでの閲覧でないと難があれば紙かなあという感じではあるのですが…。会社の書架に置いてもらうなら紙媒体で決まりなんですが。

これは技術評論社の「支える技術」シリーズだからバリバリ技術系の内容のはずで、特に(一般ユーザーが知ることのない)バックエンドに関する記述が多い印象なのですが、SNSでの反応を見ると「この本にダウンロードコードはつかないらしい」とかややズレたコメントが散見されるのでぐんにょりする。

テクニカルディレクターからプロデューサーに昇格した青山さんは、たけやりへいのアイコンから、ようやく専用のバストアップのイラストが用意されたんですね。
で、目覚めし冒険者の広場に掲げられている目次はこんな感じ。

□第1章 ドラゴンクエストXとは何か ── ドラゴンクエストかオンラインゲームか
□第2章 開発・運営体制 ── ドラゴンクエストXを支える人々
□第3章 アーキテクチャ ── クロスプラットフォームMMORPGの基本構成
□第4章 開発と検証 ── 並走する追加と保守のサイクル
□第5章 メモリ管理 ── MMORPGボトルネック
□第6章 ゲームクライアントグラフィックス ── 魅力的な絵を描画する工夫
□第7章 ゲームサーバプロセス ── 機能ごとに分離して負荷分散
□第8章 キャラクター移動 ── 移動干渉による押し合いへの挑戦
□第9章 ゲームDB ── ワールド間の自由移動を実現する一元管理
□第10章 ゲーム連動サービス ── ゲーム内とつなげるための工夫と力技
□第11章 運営と運用 ── リリースしてからが本番!
□第12章 不正行為との闘い ── いたちごっこ覚悟で継続対応

Amazonの書籍カテゴリで「オンラインゲーム」で検索すると、「オンラインゲームの作り方」みたいな本が本当に少ないことに驚かされる。

「ゲームの作り方」みたいな本はたくさんあるんですよ。ところが「オンラインゲームの作り方」となると本当に数えるほどしか無い。面白いゲームを作るだけではだめで、目次にあるような深遠なトピックスが山積みで、明らかに一個人がどうこうレベルではない。趣味でチクチク実装するにも分量が多く、求められる専門知識も奥深い。そのような中、国内最大手MMORPGである『ドラゴンクエストX』を事例にした書籍というのは非常に価値のあるものではないかと思うのである。

このエントリを書いている時点では未発売なので、読んでみたらまた書きます。

ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏

ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏

レトロゲーム勉強会#02に参加して喋ってきた #retrogstudy

西新宿のユニオンテック社(内装の会社だそうです)で行われた「レトロゲーム勉強会#02」なる謎の勉強会にLTで参加しました。
retrog.connpass.com
同日にはWASNightがあったらしい。
WASNight 2018 Summer - SuperDeluxe

私は今回もLTで喋りました。前回は想定外の盛り上がり方だったのと、一般参加からLT参加に切り替えたのが前日だったので、軽めのネタにしました。スライドは2時間弱で作った。

www.slideshare.net

レトロブライトは経験則の積み重ねという性質もありますが、質疑応答では各々の知見の共有の場になっていました(マイクを持って喋るので参加者全員に即共有される)。結構皆さんレトロブライト試していらっしゃるんですね…。知見が即座に集まってくる様子がすごく勉強会っぽくて良かったです。

ちなみに今回の発表に先立って、以下のようなエントリを書いています。
eagle0wl.hatenadiary.jp

メダルゲームの歴史を書きたいのだが

年末から今年に入ってゲームセンターのメダルゲームにはまってしまった。このブログとか原稿とか原稿とか、あるいは原稿が遅延しまくっているので一区切りつけるために書いてみる。

雑なメダルゲーム概観

ゲームセンターのメダルゲームは、ペイアウト率80%、つまり80%は客に返しているとされている(ぱちんこ、パチスロは全国平均で85%を返しているらしい)。言い方を変えると、胴元の取り分となる控除率は20%、遊び続けると大数の法則によりメダルは徐々になくなっていくことになる。メダルゲーム機で、ハイエナ以外の方法で増やすことを考えると、十分に研究して攻略しなければならないし、そもそも基本的に運ゲーなので攻略もクソもないメダルゲーム機は多い。それに1ゲームが長いのでとても時間を食う。原稿やらブログやらに支障をきたしているので、別のはけ口としてなぜかルービックキューブを選択した。

そんなこんなもあって、メダルゲームの歴史に興味を持ったのだが、これがまあ資料がぜんぜん見つからない。ビデオゲーム機と違って場所を取るし、メンテナンスも大変だから、古くなった筐体は実物を拝むのも難しい。もしかしたら、かつて日本で作られたが、現在の日本には実物が存在しないメダルゲーム機がすでにあるかもしれない。競馬ゲームとか。

日本のゲームセンターのメダルゲームは、シグマを創業した真鍋勝紀が、アメリカにあるようなギャンブル機を日本で運用する際に、刑法賭博罪に抵触しないようゲームに使うメダルを金品に交換できないようにすることを考えたことが始まりとされている(業界では真鍋理論と呼ばれているようだ)。その結果、ゲームの勝ち負けだけが重視される鉄火場型のカジノの構造を一応否定する、今日のメダルゲームが形成されている。

ピンボールの話

筆者はぱちんこ、パチスロ店で台を打ったことは一度もないが、球の動きが予測できそうで外れるような一喜一憂を楽しむのは好きである。まさにそういうゲーム性であるピンボールは大好きで、所要で大阪に行く際には、必ず心斎橋ビッグステップに寄って、時間をかけて3000円ぶんぐらい遊び尽くすことにしている。
silverballplanet.jp

都内では、2~3台程度ではなく、10台以上のまとまった数のピンボールの実機を置いている店舗は非常に限られている。豊田(東京都日野市)にあった『ネバーランド』も閉店してしまった。残すは昭和レトロ感あふれるお台場の『台場一丁目商店街』ぐらいになってしまった。どうでもいいが「平成レトロ」と呼ばれる時代は目の前に来ている。レトロニムですらない(笑)。
www.odaiba-decks.com

アメリカでもピンボールはすでに終わったジャンルであり、現在ピンボールを製造しているのは実質スターン一社しかない。それもゲームセンターには卸されず、コレクター向けに販売しているのが現状である。スターンは時折よくわからない台を出すことがあり、転売ヤー御用達のSupremeとのコラボ台が出ると聞いた時は本気で訳がわからなかった。この台も転売ヤーによって値段が何倍にもつり上げられ、日本にも数台入っているらしい。
hypebeast.com

ということで、エミュレータシミュレータの出番である。実在するピンボールのシミュレータである『Pinball Arcade』が素晴らしい。
store.steampowered.com

実機の再現がコンセプトなので、デジタルピンボール特有の派手なギミックは存在しないが、実機を3Dスキャンして採寸したり、ターミネーター2やAC/DCのように版権取得のハードルが高い台もクラウドファンディングを使ってリリースにこぎつけているので、この会社はマジでやっている。他機種展開されておりニンテンドースイッチ版もあるが、家庭用ゲーム機版は国内展開されていないので、大人しくSteam版がいいと思う。

ぱちんこの台の話

ぱちんこについては業務上いろいろとリサーチしたが、「中央に大きい液晶があるものが今日のぱちんこである」という認識が常態化した結果、勝ち負けを表すバトルシーンの垂れ流しになってしまった印象が強い。しかし、資料を集めるうえで知ったが、ギャンブル性に頼らない羽根物台『CRAトキオデラックス』が大ヒットしたり、カイジの「沼」のような三段クルーンを実装した『CR天龍∞』や『CRライジンマン』のような玉の動きを重視した台が注目されることもある(後者は極端な出玉性能があり悪い意味で注目されている)。2014年に設立された愛喜という新興メーカーに至っては、出玉が非電動で抽選の仕組みもない「普通機」を専門にリリースしており、ギャンブル性の抑制という大テーマに正面から取り組んでいる稀有な例といえる。

筆者が遊んだメダルゲーム

メダルゲームに戻る。筆者が10年ぐらい前に『クイズマジックアカデミー』のついでに遊んでいたのは『SPINFEVER 夢水晶と魔法のメロディー』(スピンシリーズ2作目)で、環境の変化を機に一度引退。

SPINFEVER 夢幻のオーケストラ(2011)

www.konami.com
昨年末にふと気分が向いて遊ぶようになったのがコナミの『SPINFEVER 夢幻のオーケストラ』(スピンシリーズ3作目)で、これはGoldJackPotを2回引いたので引退した(GJPで5000枚設定の店もある中、2700枚そこらの当たりなので出やすい設定だったと思う)。この機種は当たりを引くまでメダルを大量に消費するので、JackPotを2回引いてもトントンなのがザラなので何とも言えない。世界観も好きだし、JP獲得メダルの払い出し時にかかるボーカル曲「NIRVANA CHAIN」も素晴らしい。ピンボールから着想を得たフィーチャーや5穴クルーンによる物理抽選が一番気に入っているんですけどね。選択可能なBGMは「グラディウスメドレー」(ただしファミコン1作目)固定。常にやかましメダルゲームのフロアでは、ファミコンのピコピコ音でないと聞き取りにくいからという配慮かもしれない。
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筆者の戦績

メダルゲームは基本運任せで技術介入の余地は殆どないので、一喜一憂できるような物理抽選を搭載していないメダルゲームには興味が持てない。しかし、セガの100&メダルシリーズには強い興味を持った。

100&メダルシリーズ

100&メダルシリーズは、昔のぱちんこの中央にあるような役物を取り出したような筐体である(その類似性ゆえオカルト攻略法も複数存在する)。デジタルな表示は赤の7セグメントディスプレイだけで、ビデオを使わない「完全物理抽選」は、プッシャーメダルとは明らかに違うコンセプトで異彩を放っている(この挑戦的な姿勢は本当に評価できる)。全シリーズ「完全物理抽選」が謳われているが、これは「当たり」「外れ」を玉の入賞で決めているという意味であって、公平という意味ではない。各所に配置された「×?」のポケットに入賞した時の倍率は内部抽選であり、この倍率でペイアウト調整がされている。プレイBGMは映画のサントラからの引用が多く、その選曲センスも素晴らしい(銀河の一部選曲は明らかに暴走しているが)。

特に『100&メダル 激KAZAAAN!!』と『100&メダル HYOZAAAN!!』は、メダルゲーム全体を見渡しても技術介入の余地が最強クラスにある。技術介入と言っても、指先でできることは一段目のUP率を上げるだけで、後はそのための台の癖読みと回収期・放出期の見極めぐらいなのだが、下手な人が多いとその差は歴然になる。

100&メダル KAZAAAN!!(2010)


カイジの「人食いパチンコ 沼」に出てくる三段クルーンを想起させるようなゲーム性である。ぱちんこの三段クルーンは構造上玉は上から下に降りるため、二段目、三段目と当たりの期待がかかるほど視認性が悪くなるという問題を抱えている(前述したCRAトキオデラックスは螺旋状のボールリフトで玉を上に上げている)。しかし、火山では常時回転する入賞口の動力を利用することで追加動力を使わずボールをリフトアップさせる機構を持っている。これにより、二段目、三段目と当たりの期待がかかる抽選ほど上に上がるため視認性が良くなるという点が非常によく出来ていると思う。

シリーズ1作目の『100&メダル KAZAAAN!!』の初回版(いわゆる未対策火山)は、回転速度が常に低速で、良い設定を見抜くことができれば1段目UPだけでなく2段目UPまで狙える(つまり毎回3段目まで押し上げることができる)という致命的な攻略法(曰く、想定外の操作により運営上好ましくないソフト仕様上の動作が発生する)が存在しており、ソフトウェアアップデートで対応されたようである。しかし、1段目と2段めの回転動力が同一というハードウェア上の問題は修正できないため、小刻みに回転速度を変えたり、1段目UP時に回転速度を変えたり、反則技と言える遅延発射(高ベット時にボール発射ボタンを押すと、ランダムなラグが発生し全く狙えなくなる)を仕込んだり、球を発射した後に狙いすましたかのように速度変更を行うなどしているようである。完全物理抽選とは。筆者は未対策火山を実際に触ったことがないのでわからない。未対策火山で一度遊んでみたいものだが…。

ここからは推測の域を出ないのだが、あえて攻略法を残して出荷して、後追いで対応するという事例はぱちんこ、パチスロでは一定数存在する。意図的か不作為か見落としかに関わらず攻略法が発覚しても、直接の被害を受けるのは筐体の製造元ではなく、設置している店舗である(昔のぱちんこ、パチスロ店は泣き寝入りするしかなかったようだが、今日では製造元に瑕疵がある場合は、台の交換や得べかりし利益まで請求される)。未対策火山は回転速度が常に一定だったらしいが、いくらなんでもそれはリリースする前に気づくだろうと思うのだが…。セガ(サミー)だし。

100&メダル 激KAZAAAN!!(2012)


『100&メダル 激KAZAAAN!!』は、火山のアップデート版である。全体的にオッズが上方修正されており、4段目抽選に入ればSJPCの確率は大幅に上がっている。しかし三段目抽選はJPCチャンスの確率が最大1/2から1/3に変わっただけでなく、JPC突入時にはHOLDされた球が1つ回収されるのだが、JPCを狙いにくい配置になるような回収を行うので、3段目抽選がかなり辛くなっている。
スーパージャックポット(SJP)100倍を超える、エクストリームジャックポット(EJP)300倍(99BETのみMAX BET BONUS追加で33333枚の払い出し)が新設されたが、「完全物理抽選」を謳っているにも関わらず、一番の大当たりがかかったポケット「BET×30 or Extreme JackPot BET×300」が内部抽選(デジタル抽選)という人を喰ったような展開が待ち受けている。それなら「完全物理抽選」で100倍のポケットに入る瞬間を見届けるほうが達成感があるように思える。ただ、EJPが当たると、映画『ロッキー』のあのテーマ「Going the distance」が大音量でかかる大げさな演出があるので(99BETでなくてもBGMはかかるらしい)、やっぱりこっちのほうが達成感はあるな。x300倍は引けたことはないけど…。
youtu.be

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筆者の戦績 99BET SJP x100 (9900WIN) (99BET SJPは3回達成、SJP自体は5回達成、x30 or x300には入りもしない)

100&メダル HYOZAAAN!!(2012)


『100&メダル HYOZAAAN!!』はストラテジーを理解して設定を見抜いて、1200枚から6万枚に増やすことができた。筐体はとても美しいが、2段目の流氷型のクルーンは事実上の対策版火山である。流氷が開いている間は、その隙間がレールとなって玉が行ったり来たりするが、流氷が閉じると手前か奥の入賞口に飛び込むようになっている。この隙間にはいくつもの突起が設置されており、これによって玉が手前に行くか奥に行くかが制御されている。これは決してオカルトではなく、特許情報に書かれていることである
astamuse.com
この筐体のJPであるブリザードラッシュは、配当の上限が決まっていない継続型のボーナスである。6つあるポケットのうち、終了(×6)に入るまで、配当の倍率が加算されるものである。これは動画を見たほうがわかりやすい。回転継続率は83.3%(1/6)とコールされるが、10連荘する確率は約20%((5/6)^9)、20連荘する確率は約3%((5/6)^19)。打ち止めとなる100連荘に到達する確率は約0.000014%((5/6)^99)となる。
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筆者の戦績 99BET BR38連荘 x177 (17523WIN)

100&メダル GINGAAAN!!(2014)

『100&メダル GINGAAAN!!』は筐体サイズがでかくなり、プラネットラッシュは「最強物理抽選機」の成れの果て終着点とも言えるデカい抽選箱である(抽選機構はビンゴゲームの抽選機を再現したセガのビンゴゲーム「BINGO PARTY」との類似性が指摘されている)。

最悪発射2秒で溶けることがあるボール一球に200BET(アップデートで999BETに引き上げられた、ドル箱一つ飛ばすようなものである)できる上限の高さと、プラネットラッシュのSPボール抽選で100倍(20連荘以降は200倍)配当が出ることもある極端過ぎる出玉性能の結果、1ゲームで80万枚、1000倍配当を超える事例も報告され、しまいには可動した年に100連荘(0.002%)による打ち止めが確認されるなどの問題が次々発覚して撤去。公式ページの「遊べるお店」の一覧が全く役に立たない状況にある。リリースからまだ4年経っていないはずで、マスメダル機は数年運用させて減価償却させることを考えるとこれは致命的ではないのか。筆者は出張先のラウンドワンで遊ぶ機会があった。なぜ99BETに留めなかったのか(99BETでも結構なものだが)。内部抽選の倍率の決め方など書きたいことがいろいろあるが、セガの暴走ぶりが垣間見えるメダルゲームである。

その他

競馬ゲーム(これだけでも十分ボリュームがありそうである)とか、キッズメダル(サンワイズのジャンケンマンとか)とかを含めると数は膨大になりそうである。やっぱり調べるの無理くさい気がする…。

Wizard Bible が閉鎖するらしい 追記あり

※2018/04/24追記 Wizard Bible vol.62 (2016,3,27) から削除された記事を読んだ感想を追記しました
※2018/04/22 Wizard Bible の閉鎖を確認しました
※2018/04/20追記 筆者の推測をさらに追記しました
※2018/04/20追記 筆者の推測を書きました
※2018/04/19追記 閉鎖理由がさらに詳細になっていたので差し替えました
※2018/04/18追記 閉鎖理由の本文中の伏字が外れていたので、差し替えました(伏字だった箇所は大文字にしている)

日本版『Phrack』とも言えるコンピューターアンダーグラウンド系のウェブマガジンである『Wizard Bible』が4月22日の24時に閉鎖するらしい。
Wizard Bible
www.phrack.org
※上記サイトで配布されている実行ファイルがマルウェア扱いされてブラウザに「危険なサイト」扱いされていたようだが、現在は解消しているようである

閉鎖の理由が何やら穏やかではない。

閉鎖の理由について述べるべきですが、
自分だけでなく周囲にまで影響を及ぼしてしまう恐れがあるため、詳細については控えさせてください。

Wizard Bibleの一部の記事が「不正指令電磁的記録提供」に該当するとされ、家宅捜索でデジタル機器を押収され、問題となった記事は削除しました。
そして、Wizard Bibleの存続については、警察に対して「Wizard Bibleがいかに大事なものであること」「今後の方針を改善すること」を訴え、今後の運営は問題ないことになりました。
ところが、その後の検察(警察でないことに注意。検察が事件を起訴するかどうかを決定する)とのやり取りにて、Wizard Bibleの存続案については一蹴され、結果として閉鎖しなければならなくなりました。
「問題のある記事が投稿された場合、記事の内容を改めたとしても、投稿者のPC内のそのファイルが存在するのでアウト。通報しなければならない」
アンダーグラウンドな内容を含むWizard Bibleを続けることは反省が足りない」という主張のようです。

警察の見解:「問題となった記事を削除すれば、Wizard Bibleの運営は問題なし」(「不正指令電磁的記録提供」に該当しないようにすればよい)
検察の見解:「アンダーグラウンドな内容が集まるWizard Bibleを運営するのは論外」(ほんの一部の投稿が不適切であっても、そういったものが集まる時点で悪い。一部が悪ければ、全体も悪い)

4/22の24時に閉鎖する予定です。
それまでの間、アーカイブ化したものをDLできるようにしました。

引用:Wizard Bible 2018/04/20閲覧

追記を重ねているため「詳細については控えさせてください」の直後に「「不正指令電磁的記録提供」に該当するとされ、家宅捜索でデジタル機器を押収」となっているのはご愛敬。

筆者はかつてWizard Bibleに寄稿していたことがあるが、10年以上前のことである。今回のゴタゴタの内情は全くわからないが、警察は「法律を守れ」というのは至極当然に思えるが、検察の主張は焚書ではないのか。「アンダーグラウンドな内容が集まる日本国家を運営するのは論外」とはならないのか。どこの都道府県の検察なのかはわからないが、検察としてのレベルが地方によってムラがあるとしか思えない。

閉鎖までウェブサイトを固めたzipが配布されているので、必要と感じる方はダウンロードすべし。すでにGithubなどに転載されているようである。WBは基本テキスト情報なのでいくらでもばら撒くことができるものと思うのだが…。「消すと増える」ストライサンド効果ってご存知でしょうか。

筆者の推測 2018/04/20追記

初めてWizard Bibleを知った人からは分かりにくいが、Wizard Bible vol.62 (2016,3,27) の『第1章: トロイの木馬型のマルウェアについて』の執筆者は当時高校生で、2017年6月に不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕されている。
www.kahoku.co.jp
逮捕を受けてWizard Bibleからその記事は削除されている。Wizard Bibleトップページによると、警察の主張は「法律を守れ」という点では一貫しているが、検察の主張はただの言論統制でしかない(全貌が明らかでないので断言はできないが)。これがウェブマガジンでなく紙媒体になると「表現の自由」「出版の自由」で回避できそうだがダメな気もする(なんだかPGPみたいだが、法律の専門家ではないので濁しておく)。情報セキュリティに関する情報を発信すると、下手をすると不正指令電磁的記録違反とかなんとか言われそうだ。これからは(海外から発信しているという体で)英語で発表するしかなさそうである。

2018/04/24追記 遅まきながら、削除された『第1章: トロイの木馬型のマルウェアについて』を読んでみた。タイトルに釣られそうだが、その実はC言語で記述されたクライアント・サーバー型のごくごく基本的なソケットプログラムの解説だった。脆弱性を利用したコードも含まれておらず、利用者の意図に反するような動作(例えばゲームソフトと偽って個人情報を抜き取るようなプログラム)も見当たらない。悪用を推奨するような記述もない。ただえさえウイルスの定義が曖昧な「不正指令電磁的記録」な条項なのに、ソケットプログラムの技術書の頭の方に書いてあるようなごく基本的なコードをウイルス扱いしたというのであれば驚きである。田舎警察、田舎検察と言われても仕方のないことではないのか。

Wizard Bibleトップページで「家宅捜索でデジタル機器を押収」とあるが、IPUSIRON氏のツイートを遡ってみると、確かにネット環境がない期間があったようである。
警察に押収された物品は、事件が決着した後には返却される。ただし、カイジ利根川ではないが、いつ返ってくるのかは警察の気分次第である。

Winnyの作者で鬼籍に入られた金子勇氏のウェブサイトは今もこんな具合である。

そろそろノートだけでもいいから返してもらえないと仕事に支障がでるのですがどんなもんなんでしょうか・・・・

しかし、IPUSIRON氏のツイートを見る限り、押収されたデジタル機器は返却されているようなので、WBに関する事件はすでに決着がついているのだろう。


外野が無理にWBを続投させようとするのは変な話だし、(検察の主張はアレだが)本人が閉鎖を決めたのだから、これに他人が口を挟むものではない。大変な思いをしたようだが平穏な日常に戻れたようなので、10年来のいち知人として良かったと思いたい。

ただし、公権力による「情報セキュリティの情報公開に対する萎縮効果」は議論されなければならないと思うし、同じような事態が繰り返されるようなこともあってはいけないと思う。これについては自分なりに考えて動いていきたい。

22日に閉鎖されたWizard Bibleに関しては、ぜひHTTPステータスコードの451を返すよう設定してもらいたいところだが、警察や検察が「反省していない」「あの時は反省したフリをしていただけだったのか」と受け取るだろうから難しいですね…。

レトロゲーム勉強会#01に参加して喋ってきた

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もう一ヶ月も前の話になるが、DMM.comラボで開催された「レトロゲーム勉強会#01」なる謎の勉強会に参加&LTでぁゃιぃネタで喋った。立派なビルで、ビルへの入館はメールに書かれているQRコードをかざさないとゲートが開かない構造だったのだが、自分にはそのメールが届いていないようで、このままでは入れなかった。しかし、ある方法を使うことで入館に成功してしまう(いいのか?)。

当日の様子は以下のまとめが参考になると思う。
togetter.com
参加者の記事も見るとより良い。
d.hatena.ne.jp
expajp-tech.hatenablog.com

私のLTは「非公認ソフト、Homebrew、マジコンの世界」という雑なテーマで申請して、公開されたLT一覧を見てから他の人と被らないようにテーマを絞った結果、以下のスライドになった。ググればすぐ出て来るようなネタはなるべく扱わないことをポリシーにしているため、発表時のスライドはもっと怪しい情報を載せていたが、ウェブ公開にあたり一部削っている。

www.slideshare.net

クーロン黒沢さんが参加していることに全く気づかずにスライドと発表でイジっていたら、発表直後に本人とエンカウント。本当に知らなかったのでマジでびっくりしました。恥ずかしい。恐る恐る再会の挨拶をしたら笑顔で「(デジタル・スーパースター列伝 闇の世界の超人たちの)宣伝ありがとう!」、人としての格の違いを見せつけられました。

ロックマンX』の初期出荷数は「40万本ぐらいかな?」のニュアンスで発言しましたが、確たるデータはありません。当時の新聞記事にも本数までは書いてなかったはず(日付ははっきりしているので、図書館で縮刷版を調べたら記事は出てくるはず、宿題にする)。カプコンの公称では(全世界で)116万本の売上げとなっているが、スーファミのカートリッジは初期出荷数の割合が多いことも勘案してのどんぶり勘定なので、あまり本気にしないでほしい。でも、少なめに見積もっても10万本は刷っていたと思うのだ(想像だけど)。

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ふてぶてしいリラックマに遭遇(筆者はキイロイトリ派です)