ど~もeagle0wlです(再)

140文字では収まらないネタを記録するブログ

メダルゲームの歴史を書きたいのだが

年末から今年に入ってゲームセンターのメダルゲームにはまってしまった。このブログとか原稿とか原稿とか、あるいは原稿が遅延しまくっているので一区切りつけるために書いてみる。

雑なメダルゲーム概観

ゲームセンターのメダルゲームは、ペイアウト率80%、つまり80%は客に返しているとされている(ぱちんこ、パチスロは全国平均で85%を返しているらしい)。言い方を変えると、胴元の取り分となる控除率は20%、遊び続けると大数の法則によりメダルは徐々になくなっていくことになる。メダルゲーム機で、ハイエナ以外の方法で増やすことを考えると、十分に研究して攻略しなければならないし、そもそも基本的に運ゲーなので攻略もクソもないメダルゲーム機は多い。それに1ゲームが長いのでとても時間を食う。原稿やらブログやらに支障をきたしているので、別のはけ口としてなぜかルービックキューブを選択した。

そんなこんなもあって、メダルゲームの歴史に興味を持ったのだが、これがまあ資料がぜんぜん見つからない。ビデオゲーム機と違って場所を取るし、メンテナンスも大変だから、古くなった筐体は実物を拝むのも難しい。もしかしたら、かつて日本で作られたが、現在の日本には実物が存在しないメダルゲーム機がすでにあるかもしれない。競馬ゲームとか。

日本のゲームセンターのメダルゲームは、シグマを創業した真鍋勝紀が、アメリカにあるようなギャンブル機を日本で運用する際に、刑法賭博罪に抵触しないようゲームに使うメダルを金品に交換できないようにすることを考えたことが始まりとされている(業界では真鍋理論と呼ばれているようだ)。その結果、ゲームの勝ち負けだけが重視される鉄火場型のカジノの構造を一応否定する、今日のメダルゲームが形成されている。

ピンボールの話

筆者はぱちんこ、パチスロ店で台を打ったことは一度もないが、球の動きが予測できそうで外れるような一喜一憂を楽しむのは好きである。まさにそういうゲーム性であるピンボールは大好きで、所要で大阪に行く際には、必ず心斎橋ビッグステップに寄って、時間をかけて3000円ぶんぐらい遊び尽くすことにしている。
silverballplanet.jp

都内では、2~3台程度ではなく、10台以上のまとまった数のピンボールの実機を置いている店舗は非常に限られている。豊田(東京都日野市)にあった『ネバーランド』も閉店してしまった。残すは昭和レトロ感あふれるお台場の『台場一丁目商店街』ぐらいになってしまった。どうでもいいが「平成レトロ」と呼ばれる時代は目の前に来ている。レトロニムですらない(笑)。
www.odaiba-decks.com

アメリカでもピンボールはすでに終わったジャンルであり、現在ピンボールを製造しているのは実質スターン一社しかない。それもゲームセンターには卸されず、コレクター向けに販売しているのが現状である。スターンは時折よくわからない台を出すことがあり、転売ヤー御用達のSupremeとのコラボ台が出ると聞いた時は本気で訳がわからなかった。この台も転売ヤーによって値段が何倍にもつり上げられ、日本にも数台入っているらしい。
hypebeast.com

ということで、エミュレータシミュレータの出番である。実在するピンボールのシミュレータである『Pinball Arcade』が素晴らしい。
store.steampowered.com

実機の再現がコンセプトなので、デジタルピンボール特有の派手なギミックは存在しないが、実機を3Dスキャンして採寸したり、ターミネーター2やAC/DCのように版権取得のハードルが高い台もクラウドファンディングを使ってリリースにこぎつけているので、この会社はマジでやっている。他機種展開されておりニンテンドースイッチ版もあるが、家庭用ゲーム機版は国内展開されていないので、大人しくSteam版がいいと思う。

ぱちんこの台の話

ぱちんこについては業務上いろいろとリサーチしたが、「中央に大きい液晶があるものが今日のぱちんこである」という認識が常態化した結果、勝ち負けを表すバトルシーンの垂れ流しになってしまった印象が強い。しかし、資料を集めるうえで知ったが、ギャンブル性に頼らない羽根物台『CRAトキオデラックス』が大ヒットしたり、カイジの「沼」のような三段クルーンを実装した『CR天龍∞』や『CRライジンマン』のような玉の動きを重視した台が注目されることもある(後者は極端な出玉性能があり悪い意味で注目されている)。2014年に設立された愛喜という新興メーカーに至っては、出玉が非電動で抽選の仕組みもない「普通機」を専門にリリースしており、ギャンブル性の抑制という大テーマに正面から取り組んでいる稀有な例といえる。

筆者が遊んだメダルゲーム

メダルゲームに戻る。筆者が10年ぐらい前に『クイズマジックアカデミー』のついでに遊んでいたのは『SPINFEVER 夢水晶と魔法のメロディー』(スピンシリーズ2作目)で、環境の変化を機に一度引退。

SPINFEVER 夢幻のオーケストラ(2011)

www.konami.com
昨年末にふと気分が向いて遊ぶようになったのがコナミの『SPINFEVER 夢幻のオーケストラ』(スピンシリーズ3作目)で、これはGoldJackPotを2回引いたので引退した(GJPで5000枚設定の店もある中、2700枚そこらの当たりなので出やすい設定だったと思う)。この機種は当たりを引くまでメダルを大量に消費するので、JackPotを2回引いてもトントンなのがザラなので何とも言えない。世界観も好きだし、JP獲得メダルの払い出し時にかかるボーカル曲「NIRVANA CHAIN」も素晴らしい。ピンボールから着想を得たフィーチャーや5穴クルーンによる物理抽選が一番気に入っているんですけどね。選択可能なBGMは「グラディウスメドレー」(ただしファミコン1作目)固定。常にやかましメダルゲームのフロアでは、ファミコンのピコピコ音でないと聞き取りにくいからという配慮かもしれない。
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筆者の戦績

メダルゲームは基本運任せで技術介入の余地は殆どないので、一喜一憂できるような物理抽選を搭載していないメダルゲームには興味が持てない。しかし、セガの100&メダルシリーズには強い興味を持った。

100&メダルシリーズ

100&メダルシリーズは、昔のぱちんこの中央にあるような役物を取り出したような筐体である(その類似性ゆえオカルト攻略法も複数存在する)。デジタルな表示は赤の7セグメントディスプレイだけで、ビデオを使わない「完全物理抽選」は、プッシャーメダルとは明らかに違うコンセプトで異彩を放っている(この挑戦的な姿勢は本当に評価できる)。全シリーズ「完全物理抽選」が謳われているが、これは「当たり」「外れ」を玉の入賞で決めているという意味であって、公平という意味ではない。各所に配置された「×?」のポケットに入賞した時の倍率は内部抽選であり、この倍率でペイアウト調整がされている。プレイBGMは映画のサントラからの引用が多く、その選曲センスも素晴らしい(銀河の一部選曲は明らかに暴走しているが)。

特に『100&メダル 激KAZAAAN!!』と『100&メダル HYOZAAAN!!』は、メダルゲーム全体を見渡しても技術介入の余地が最強クラスにある。技術介入と言っても、指先でできることは一段目のUP率を上げるだけで、後はそのための台の癖読みと回収期・放出期の見極めぐらいなのだが、下手な人が多いとその差は歴然になる。

100&メダル KAZAAAN!!(2010)


カイジの「人食いパチンコ 沼」に出てくる三段クルーンを想起させるようなゲーム性である。ぱちんこの三段クルーンは構造上玉は上から下に降りるため、二段目、三段目と当たりの期待がかかるほど視認性が悪くなるという問題を抱えている(前述したCRAトキオデラックスは螺旋状のボールリフトで玉を上に上げている)。しかし、火山では常時回転する入賞口の動力を利用することで追加動力を使わずボールをリフトアップさせる機構を持っている。これにより、二段目、三段目と当たりの期待がかかる抽選ほど上に上がるため視認性が良くなるという点が非常によく出来ていると思う。

シリーズ1作目の『100&メダル KAZAAAN!!』の初回版(いわゆる未対策火山)は、回転速度が常に低速で、良い設定を見抜くことができれば1段目UPだけでなく2段目UPまで狙える(つまり毎回3段目まで押し上げることができる)という致命的な攻略法(曰く、想定外の操作により運営上好ましくないソフト仕様上の動作が発生する)が存在しており、ソフトウェアアップデートで対応されたようである。しかし、1段目と2段めの回転動力が同一というハードウェア上の問題は修正できないため、小刻みに回転速度を変えたり、1段目UP時に回転速度を変えたり、反則技と言える遅延発射(高ベット時にボール発射ボタンを押すと、ランダムなラグが発生し全く狙えなくなる)を仕込んだりしているようである。完全物理抽選とは。筆者は未対策火山を実際に触ったことがないのでわからない。未対策火山で一度遊んでみたいものだが…。

ここからは推測の域を出ないのだが、あえて攻略法を残して出荷して、後追いで対応するという事例はぱちんこ、パチスロでは一定数存在する。意図的か不作為か見落としかに関わらず攻略法が発覚しても、直接の被害を受けるのは筐体の製造元ではなく、設置している店舗である(昔のぱちんこ、パチスロ店は泣き寝入りするしかなかったようだが、今日では製造元に瑕疵がある場合は、台の交換や得べかりし利益まで請求される)。未対策火山は回転速度が常に一定だったらしいが、いくらなんでもそれはリリースする前に気づくだろうと思うのだが…。セガ(サミー)だし。

100&メダル 激KAZAAAN!!(2012)


『100&メダル 激KAZAAAN!!』は、火山のアップデート版である。スーパージャックポット(SJP)100倍を超える、エクストリームジャックポット(EJP)300倍(99BETのみMAX BET BONUS追加で33333枚の払い出し)が新設されたが、「完全物理抽選」を謳っているにも関わらず、一番の大当たりがかかったポケット「BET×30 or Extreme JackPot BET×300」が内部抽選(デジタル抽選)という人を喰ったような展開が待ち受けている。それなら「完全物理抽選」で100倍のポケットに入る瞬間を見届けるほうが達成感があるように思える。ただ、EJPが当たると、映画『ロッキー』のあのテーマ「Going the distance」が大音量でかかる大げさな演出があるので(99BETでなくてもBGMはかかるらしい)、やっぱりこっちのほうが達成感はあるな。x300倍は引けたことはないけど…。
youtu.be

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筆者の戦績 99BET SJP x100 (9900WIN)

100&メダル HYOZAAAN!!(2012)


『100&メダル HYOZAAAN!!』はストラテジーを理解して設定を見抜いて、1200枚から6万枚に増やすことができた。筐体はとても美しいが、2段目の流氷型のクルーンは事実上の対策版火山である。流氷が開いている間は、その隙間がレールとなって玉が行ったり来たりするが、流氷が閉じると手前か奥の入賞口に飛び込むようになっている。この隙間にはいくつもの突起が設置されており、これによって玉が手前に行くか奥に行くかが制御されている。これは決してオカルトではなく、特許情報に書かれていることである
astamuse.com
この筐体のJPであるブリザードラッシュは、配当の上限が決まっていない継続型のボーナスである。6つあるポケットのうち、終了(×6)に入るまで、配当の倍率が加算されるものである。これは動画を見たほうがわかりやすい。回転継続率は83.3%(1/6)とコールされるが、10連荘する確率は約20%((5/6)^9)、20連荘する確率は約3%((5/6)^19)。打ち止めとなる100連荘に到達する確率は約0.000014%((5/6)^99)となる。
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筆者の戦績 99BET BR38連荘 x177 (17523WIN)

100&メダル GINGAAAN!!(2014)

『100&メダル GINGAAAN!!』は筐体サイズがでかくなり、プラネットラッシュは「最強物理抽選機」の成れの果て終着点とも言えるデカい抽選箱である(抽選機構はビンゴゲームの抽選機を再現したセガのビンゴゲーム「BINGO PARTY」との類似性が指摘されている)。

最悪発射2秒で溶けることがあるボール一球に200BET(アップデートで999BETに引き上げられた、ドル箱一つ飛ばすようなものである)できる上限の高さと、プラネットラッシュのSPボール抽選で100倍(20連荘以降は200倍)配当が出ることもある極端過ぎる出玉性能の結果、1ゲームで80万枚出る事例も報告され次々と撤去。公式ページの「遊べるお店」の一覧が全く役に立たない状況にある。リリースからまだ4年経っていないはずで、マスメダル機は数年運用させて減価償却させることを考えるとこれは致命的ではないのか。筆者は出張先のラウンドワンで遊ぶ機会があった。なぜ99BETに留めなかったのか(99BETでも結構なものだが)。内部抽選の倍率の決め方など書きたいことがいろいろあるが、セガの暴走ぶりが垣間見えるメダルゲームである。

その他

競馬ゲーム(これだけでも十分ボリュームがありそうである)とか、キッズメダル(サンワイズのジャンケンマンとか)とかを含めると数は膨大になりそうである。やっぱり調べるの無理くさい気がする…。