ど~もeagle0wlです(再)

140文字では収まらないネタを記録するブログ

GAMERnium版kazzoクローンをWindows10で動作させる&本体のレトロブライト化

秋葉原ラジオセンター内の『家電のケンちゃん』(危なっかしい名前だ)のジャンク市を覗いてみた。ここはFM音源ガチャなど奇抜な企画が見られ、ガチャで入手したFMサウンドチップを実際に動作させている人もいる。
togetter.com

FM音源は全く触れたことがなく、メガドラではなくスーファミ派だったし、PC-98も86ボードを持っておらずBeep音しか知らないので、PSGからPCMに一足飛びである。FM音源のチューニングとか超難しいと聞いている。
www.nintendo.co.jp

肝心のジャンク市は刺さるものが見つからなかった。坊主で帰るのもアレと思い、同人ハードウェアに手を出してみることにした。kazzo互換機って言って分かるだろうか。ファミコンのROMイメージを吸い出したり書き込んだりできるオープンソース・オープンハードの装置である。いわゆるマ●コン的な使い方もできなくはないが、それでは明らかに効率が悪いので(身も蓋もない言い方だが全てのROMイメージはネット上にある)、自作のファミコンソフトを実機で動かしたいといったニッチな用途に向いている。

エミュでも十分だと思うでしょ? 相当枯れたハードとは言えエミュは完全ではない。特にファミコンのようにカートリッジが単なるストレージではなく、バンク切り替えやVRAM拡張、音源などを追加できるハードウェアであるため、そのハードウェアの種類(Mapperと呼称される)だけエミュレートが必要になる。それ以前に、ゲーム機のエミュレータは概してアーキテクチャの再現よりも既存のゲームソフトの再現性が優先される。事実、Nestopiaなどはゲーム毎にパッチをして無理矢理動作させている。したがって、自作プログラムで少しズレたことをやると結構エミュの再現度に引っかかってしまうのだ。コピープロテクトの範疇になるが、プログラムから実機とエミュを判別する方法はいくつかある。

GAMERniumのGMN-02-Aを組んでみる

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ということで、今回はGAMERniumのGMN-02-Aを購入した。
gamernium.com

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QuizChan on Nicolive を公開した

はじめに

2017/11/28追記 ユーザー生放送がHTML5版のみになったため、このスクリプトは使用できなくなりました。対応版はしばしお待ち下さい。それまでは「QuizChan on ブラウザ」をご利用ください。
2017/10/01追記--
本家のインターフェースに準拠した簡易バージョンを作成しました。ブラウザベースなのでインストール不要、Windows以外のOSやスマホからでも回答可能です。詳細は以下のリンクから。
eagle0wl.hatenadiary.jp
追記おわり--

クイズちゃんの操作にいつもモタついて苦い思いをしていたので、ニコニコ生放送専用プレイヤーにクイズちゃん回答用の入力フォームを拡張し、マウス操作不要でメッセージの"暗号化"からコメント投稿までを支援する、謎の実験場専用スクリプト『QuizChan on Nicolive』を公開した。
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インストール

『QuizChan on Nicolive』は、各種ブラウザ向けに提供されている拡張機能である Tampermonkey のユーザースクリプトとして動作する。

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ハッカー競技会/カンファレンス『SECCON2016決勝大会』に行った

ブログを2ヶ月も放置してしまった。

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2017/01/27-29に東京電機大学 北千住キャンパスで行われたハッカー競技会/カンファレンス『SECCON2016決勝大会』に行った。
2016.seccon.jp

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私はこういう人らしいです。

CTF(競技ハッキング)は世界中で行われているもので、その中でもラスベガスで開催されるDEF CONが最高峰とされている。SECCONの活動はCTFがメインだったのだが、今回は非IT業界向けのセッションやハンズオン、400人規模(!)で行われた初心者向けCTFなどが大幅に拡充され、幅広い層が参加していた(IoTワークショップには小学生が参加していた)。


週刊ビッグコミックスピリッツハッカーが登場する漫画『王様達のヴァイキング』の作者が登壇するセッションがフォーカスされていた。自分は裏のセッションを手伝っていたので見ることはできなかったが、女性の観覧者が多かったらしい。技術監修がついており、画面も攻撃のシナリオに沿ったものを作っているそうだ。なぜSECCONと『王様達のヴァイキング』が繋がったのかというと、去年のSECCONの全国大会の様子がテレビで放送された際の映像と王様~の一コマが酷似していたり、実際の出場者に酷似した人物が登場していることがSECCON参加者の間で話題となり、「直接取材に来てもらっていいのに」みたいな所から今回のゲスト登壇となったのだ。

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激安Arduino互換基板を買った

電子工作について。組み込み機器のプログラムを吸い出して、逆アセンブルして解析するような事を業務としてやったことはあったが、ArduinoRaspberry Piが生まれてからは電子工作自体のハードルがものすごく下がった。ソフトが書けてハードも分かるようになると、周囲の世界をコントロールできるようになる。

最近入手したパーツに関するメモを残す。

ATTINY85 Digispark

Arduinoはオープンハードウェアなので(Arduinoの名前は使えないが)玉石混交の互換品が多く存在する。その中でも、USBコネクタつき(重要)で恐らく最小の互換品はこれだろう。激安(183円)である。なんだこれは。しかし、この手の中華基板は完動する個体を引けるかどうかにかかっており、完全にバクチである。ということで4個買った。
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結論から言うと、今回動作確認できた個体は4個中1個だけだった。渋すぎる。USBコネクタに指すと、接続→接続解除が延々と繰り返される個体があったのでハズレだと思ったが、実はこれが当たりだった。他3つは通電確認用のLEDは点灯するが、unknown deviceとして認識されずプログラムを書き込めなかった。

コピー基板のさらにコピーともなると、今回調べた互換基板と動作が異なるかもしれない。今回はプログラムを書き込んでLチカまで確認した。

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ニンテンドークラシックミニが届いた

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ニンテンドークラシックミニ』が届いた。

受取りで数日出遅れてしまったので、大人しくネットに上げられている分解記事を読むことにした。
mazu-bunkai.com
ファミコンミニを手に入れたので、コントローラー交換改造してみた | kako blog
www.ns-koubou.com

コントローラの端子はWiiリモコンに外付けコントローラの流用だったようだ(NES版ミニのコネクタはモロWiiリモコン形状だったが)。1コン2コンも基板は同じ。任天堂は数百、数千万台売る基板を設計しているだけあって、こうしたコストダウンの技術に長けている。

とりあえず分解してみたが、ハウジングはRaspberryPi Zeroだけでなく2や3でも入るようだ。Zero以外であれば内部の出っ張りが邪魔をするので少し削る必要がある。
※訂正と追記 2や3では基板だけなら入るが、HDMIケーブルと電源用のUSBケーブルの取り回しができない。側面に穴を開ける必要がある。やるならZeroしかないようだorz千石電商のようなコンバーターを使えばできるかもしれない。

まだ楽しんでいないので、削るのは先になりそうだけど…。権利表記→Open Source SoftwareGNU GPLとかいろいろ確認できるのだが、かなり長いのでページ送りが非常にしんどい。と思ったら、任天堂のサイトでtarballを束ねたzipファイルが公開されていた。これは初めて知った。WiiU3DSもある。glibcとかbusyboxとかがzipにまとめられているだけだが、ソフト構成を知る上でのヒントになる。

www.nintendo.co.jp

初回起動時は全ての音が一瞬止まることがあって不具合でも引いたかと思ったが、再起動後は今のところ正常に動いているようだ。様子見するしか無い。

『ハッカーの学校 鍵開けの教科書』を戴いた

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データハウス様よりIPUSIRON著『ハッカーの学校 鍵開けの教科書』を戴いた。

後ほどレビューを書く予定でいるが、600ページにも及ぶ大著を読むのは大変だ。しかし鍵開け自体が久方ぶりなので非常に楽しみである。一応ソフトウェアセキュリティが専門の私だが、コピープロテクト技術に興味を持ったついでにピッキング技術にも興味を持った変わり者なので…(当時中国人窃盗団によるピッキングが横行していた)。

まえがきで、海外におけるハッカーと解錠の関連性(大学や研究機関にしかなかったコンピュータを交代制で使っていた時代には、深夜に忍び込んででも使いたいハッカーは解錠技術を習得していた)を述べながら、日本の閉鎖的な錠前業界を暗に批判している。錠前の講習料ってクソ高いんだよねえ。

ハッカーの学校 鍵開けの教科書

ハッカーの学校 鍵開けの教科書

『ハッカーの学校 鍵開けの教科書』が発売された

RetroPieはMAMEのデータベース作成とtheme.xmlのカスタマイズで時間を食いつぶしてます。もう少しで公開して一区切りつけます。

s-akademeia.sakura.ne.jp

著者のIPUSIRONとはリアルに10年の付き合いになる、データハウスよりハッカーの学校3作目にあたる『ハッカーの学校 鍵開けの教科書』が発売された。まだ手元に届いていないので、本書の内容ではなく、まずは鍵開けの概観を述べてみたい。

私の鍵開けの技術は、コピープロテクト技術に興味を持ったついでに物理鍵にも興味を持って、ピッキングツールを入手して南京錠やディスクタンブラー、ピンタンブラー錠ならまあまあ開けられるという程度である。当時はピッキングツールの単純所持は違法ではなく、中国人窃盗団がピッキング技術の練習を重ねて日本中を荒らし回っていた時期であった。

まず、鍵開けの話になると「鍵開けを広めるのは反社会的」という意見が挙がる。しかし「自分の家の玄関についている錠前が本当に安全なものか確かめる権利はあるはずだ」という反論がある。明らかにハッカー的な発想だが、瞬時に開けられてしまう錠前を安全だと偽って売りつけている業者(snake oil)を行政が排除できない以上、それを検証する自由はあるはずだ、という理屈である。100円ショップで山ほど売られている南京錠や自転車につける鍵も、どれがどの程度安全なのか、家財を預けるに値するものなのかを知る手段は確保されるべきである。

サイバーセキュリティだと、攻撃と防御は表裏一体というコンセンサスがあり、公開鍵認証のように仕組みはオープンにしても安全性は脅かされず、むしろ担保されるものが多い。物理鍵だとそうはいかない。マジックの種明かしのようなもので、タネを知ってしまえばおしまいというものが大半である。

従って、現行の法律ではピッキングツールの単純所持が違法である(空き缶と金切りバサミだけで作れるのに!)。

アメリカのハッカーカンファレンスであるDEFCONのビレッジ(ワークショップのようなもの)にピッキングがあるように、日本のセキュリティコンテストでも物理鍵チャレンジは無いのかと考えたことがあるのだが、日本の法制度的にはほぼアウト。

アメリカのDEFCONやドイツのCCCみたいな、反骨的ではあるが伝統あるハッカー文化から生まれたカンファレンスと違って、日本はハッカー悪玉論を長く引きずったせいで、長いこと日の目を見なかった。もはや手遅れとも言える状態から、官公庁の後援を受けてカンファレンスやセキュリティ・キャンプのような人材育成を開催しているというところから実質始まっている。

となると、日本のセキュリティカンファレンスで物理鍵チャレンジは内容としてふさわしいのか? そもそも合わないのでは? という疑問もある。これは非常に難しい。警察庁や公安も後援してるし無理だろうね。

ハッカーの学校 鍵開けの教科書

ハッカーの学校 鍵開けの教科書